FOOTPRINTS

One night I dreamed a dream.
I was walking along the beach with my Lord.
Across the dark sky flashed scenes from my life.
For each scene, I noticed two sets of footprints in the sand,
one belonging to me
and one to my Lord.

When the last scene of my life shot before me
I looked back at the footprints in the sand.
There was only one set of footprints.
I realized that this was at the lowest and saddest times in my life.

This always bothered me and I questioned the Lord about my dilemma.
"Lord, you told me when I decided to follow You,
You would walk and talk with me all the way.
But I'm aware that during the most troublesome times of my life there is only one set of footprints.
I just don't understand why, when I needed You most,
You leave me."

He whispered, "My precious child,
I love you and will never leave you
never, ever, during your trials and testings.
When you saw only one set of footprints
it was then that I carried you."

copyright(C)1964 by Margaret Fishback Powers


Footprints(あしあと)

あしあと

ある夜、わたしは夢を見た。
わたしは、主とともに、なぎさを歩いていた。
暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。
どの光景にも、砂の上にふたりのあしあとが残されていた。
ひとつはわたしのあしあと、もう一つは主のあしあとであった。
これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、
わたしは、砂の上のあしあとに目を留めた。
そこには一つのあしあとしかなかった。
わたしの人生でいちばんつらく、悲しい時だった。
このことがいつもわたしの心を乱していたので、
わたしはその悩みについて主にお尋ねした。
「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、
 あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、
 わたしと語り合ってくださると約束されました。
 それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、
 ひとりのあしあとしかなかったのです。
 いちばんあなたを必要としたときに、
 あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、
 わたしにはわかりません。」
主は、ささやかれた。
「わたしの大切な子よ。
 わたしは、あなたを愛している。あなたを決して捨てたりはしない。
 ましてや、苦しみや試みの時に。
 あしあとがひとつだったとき、
 わたしはあなたを背負って歩いていた。」

マーガレット・F・パワーズ
translation copyright(C)1996 by Pacific Broadcasting Association

解 説

この詩は、かつて、作者不詳とされていた。また、英語、日本語ともにいろいろなバージョンが出ていた。例えば、

ある夜、私は夢を見た。
私は小高い丘に立ち、
これまで歩んできた人生の砂丘を
振り返って眺めていた。
・・・
とか、
One night a man had a dream. He dreamed he was walking along beach wit the Lord・・・
などのように、なぎさを歩いているのではなく小高い山の上に立っていたり、夜空に映し出されたのではなく砂丘を見ていたり、夢を見たのが「わたし」ではなく「彼」だったり。しかし、現在は、原作、日本語翻訳ともに著作権が認められている。

作者マーガレット・F・パワーズについて、この詩が作られた背景、さらに、著作権問題の経緯については、

    マーガレット・F・パワーズ(松代恵美 訳)、『あしあと<Footprints>−多くの人々を感動させた詩の背後にある物語−』、(財)太平洋放送協会<PBA>、1996年、1000円。
にすべて書かれている。

また、「あしあと」に対する反響を収めて祈りの本としたものが出版されている。

    M.F.パワーズ(尾崎安 訳)、『主の御腕に抱かれて−−「あしあと」に献げる感謝の花束』、新教出版社、208頁、1800円。

この詩に曲をつけた歌もある。ひとつは、フォーク調のゴスペル(武田しのぶ作詞、土屋たまみ作曲、『ワーシップ&プレイズU』小牧者出版、1996)、もう一つは、柳瀬佐和子作曲の混声合唱曲でユーオーディア合唱団などによる演奏がCDで出ている。また、ここによると、クリスティ・レーンという人が歌っているらしいが、どの曲だろうか?