THE SERENITY PRAYER |
O God, give us |
Reinhold Niebuhr
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ニーバーの祈り |
神よ、 変えることのできるものについて、 |
ラインホールド・ニーバー(大木英夫 訳)
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解 説 アメリカの神学者、倫理学者ラインホールド・ニーバー(1892-1971)がマサチューセッツ州西部の山村の小さな教会で1943年の夏に説教したときの祈り。礼拝の後、ハワード・チャンドラー・ロビンズという人がこの祈りの原稿をもらった。彼は、祈りを集めた小冊子を編集発行していた。ロビンズは翌年、彼が編集した祈りの本の中に加えて出版した。その時は、ニーバーの名は付されてはいなかった。 この祈りの作者は、18世紀の神学者フリードリッヒ・クリストーフ・エーティンガーだという説もあれば、14世紀の一兵士の祈りであったという説、古代アラビアから伝わってきた祈りだという説もあった。しかし現在では、これらの説は誤りで、正しくはニーバーの作であるとされている。 日本では、ニーバーの弟子の大木英夫の著書で紹介されてから、この祈りが広く知れわたったようである。1967年に大木が『中央公論』に発表した論文の中で紹介され、後に、
アメリカでは、"The Serenity Prayer"として知られている。異なる表現のバージョンが多数ある。そのうちのいくつかは、ニーバー自身に帰せられるものもある。たとえば、次のものがある。
梶原寿訳、『義と憐れみ−−祈りと説教』、新教出版社、1975年。 また、上に掲げたものの続きがあるものもある。しかし、大木英夫に直接尋ねたところによると、続きがあることは知らないと言う。おそらく誰かが言葉を付加したものが広まったのであろう。上の英文とは異なる表現のものを、付加部分も含めて以下に記す。
COURAGE to change the things I can; and WISDOM to know the difference. Living one day at a time, Enjoying one moment at a time; Accepting hardship as the pathway to peace. Taking, as He did, this sinful world as it is, not as I would have it. Trusting that He will make all things right if I surrender to His Will; That I may be reasonably happy in this life, and supremely happy with Him forever in the next. Amen
いっときに、一瞬だけを喜ぶ。 苦しみも平和へ続く道として受け入れ イエスの如く、この罪深い世界をあるがままに理解して後悔せず 主の意志に身をゆだねれば、すべてをあるべき姿にしてくれると信じて そして、現世では適度の幸福を 来世では、主と共に至高の幸福を感じることができるように。 アーメン この祈りが広まってゆく過程や背景、作者問題、文言の問題については、高橋義文「ニーバーの『冷静さを求める祈り』(The Serenity Prayer)――その歴史・作者・文言をめぐって」(『聖学院大学総合研究所紀要』No.4(ラインホールド・ニーバー生誕100年記念)、1994)に詳しい。本稿もこれに大いに拠った。 この高橋義文の論文は、後に、チャールズ・C.ブラウン(高橋義文訳)『ニーバーとその時代――ラインホールド・ニーバーの預言者的役割とその遺産』(聖学院大学出版会、2004(原著2002)、534+23頁)の付録に収録された。 関連ページ: |