四国遍路道の植物  ヤッコソウ

A:高知県 足摺岬 白皇山(しらおやま)のヤッコソウ

(土佐清水市 佐田山国有林内) 天然記念物   2000,12,04

2008/03/31


私たち「めおと歩き遍路」は2000年12月4日足摺半島突端の四国霊場第38番札所金剛福寺に着いた。
ここで念願の「ヤッコソウ」を見たい。
しかし、白皇山(しらおやま)のヤッコソウは遍路道にはない。



そこで、ヤッコソウを見るために半日を「観察」に費やした。
足摺スカイラインを登って行くと道の右側に「石鎚神社」があった。
ここが白皇山の登山口かも知れない。
その神社の鳥居をくぐって入り、しばらく行くと、そこはシイノキの原生林で、たくさんのヤッコソウが生えていた。
道は歩きやすく、いくつもの立て札があって分かりやすかった。
白皇山の上には神社があり中腹がヤッコソウの自生地らしい。
まわりには大きなシイノキがうっそうと茂っていて薄暗い。       


神社の鳥居をくぐって山の中に入って行った。
周りは木が鬱蒼と茂っていて薄暗いが
道がきちんとしていて歩きやすい。


入ってからしばらく行くと、
そこはシイノキ(スダジイ)の原生林の中で
その木の根元にたくさんのヤッコソウが生えていた。


そこで、道から外れて原生林の中に入って、
ヤッコソウを観察した。


太い木の周りは当然のことながら、
たくさんの木々やつるが絡んでいたりしている。


ヤッコソウはシイノキの地上に出ている根に生えている。
(画像が悪く見にくいがお許しください)




次々と現れるヤッコソウの群落にうれしくてただもう夢中でカメラを向けていた。中には奴さんの行列のようなものもあった。


ヤッコソウの大きさは以外に小さくまわりに落ちているどんぐりとあまり変わらないようだった。.


それらの花はてっぺんが紫褐色になっているのが大部分だった。
このヤッコソウは雌性期で、てっぺんの紫褐色の部分は柱頭である。
すぐ下に花柱があり、丸く白く膨らんでいるところが子房である。
このヤッコソウの葉(鱗片葉)は3対位だ。小さくてかわいい。


後で調べてみるとそれはもう花の盛りが過ぎて受粉も過ぎているものであるらしい。

それらの花はびっしりとまるで「じゅうたん」のように生えているところがあり「ヤッコソウのじゅうたん」と名づけた。

しかしよく見ると枯れてかさかさして真っ黒になったヤッコソウがある。
あるところでは全部枯れたものだけが生えていて黒くてかさかさしている。
またあるものは枯れたものと柔らかくててっぺんが紫褐色のものとが並んでいる。
2本の矢印。
左の矢印は今年のヤッコソウ。
右の矢印は去年のヤッコソウ、枯れてしまっているが
立っている。。
矢印はすべて去年のヤッコソウで
今は枯れてしまっている。
かさかさしていて、それでも立ったままのヤッコソウ。


もしや、このかさかさしたヤッコソウは今年咲いたものではなく
昨年咲いたものがシイノキの根から離れずに立ち枯れているのではないか。
中には完全に形が崩れているので、さらにその前の年に咲いたものかも知れない。

上の2枚の画像は同じものだが
上の方のものは、白い矢印が去年のヤッコソウと思われる。
立ち枯れたまま、かさかさになっていた。

下の画像で、黄色で囲っているところは、
どうやら、さらに前の年のものが腐って形がなくなってしまったものらしいことが
だんだんとわかってきた。

この様に、前年・前々年に生えたヤッコソウが一面にあるところでは
今年は出たくても、出てくるところがないだろう。
画像を見て分かるように、このまわりでは今年のヤッコソウは1個も生えていなかった。


   それでも別なところでは、枯れて形が崩れてしまったものの隙間に今年のヤッコソウが生えていた。
     形が崩れたものはおそらく前々年のものだろう。白い矢印がそれ。
     
 


それにしても、ヤッコソウたちはわずかの隙間を見つけて、生き延びようと必死なのだ。
小さいヤッコソウの生きる姿に感動した日だった。



その日は嬉しくてただもう夢中でヤッコソウを見ただけで満足して帰ってきた。
もちろん天然記念物だから取ることができず細かな観察はしなかった(できなかった)。





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