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 南半球で見た月



Alsomitra macrocarpa (ウリ科)

2007/11/15
追記 2011/12/01

インドネシア ジャワ島のボゴール植物園で、アルソミトラを見た。



植物園に滞在したのは 短い期間だったので「観察」とまではいかなかったが、
ある程度まとめられるくらいの情報を得て帰国することができた。

「アルソミトラ」というより、その種子を見るほうが理解が早いだろう。
あゝそれだったのか、と納得する。



アルソミトラ は
ウリ科のつる性の植物である。
このアルソミトラはつる性であるから、
どこでも 這い回り、這い上がる。
何箇所かでその様子を見てきた。


最初に「これがアルソミトラなんだ!」と感動したのは
ゲストハウス前庭に高くそびえる40mはありそうな高い木を見たときだった。
「つる性」であることはすっかり忘れて、ただ見上げていた。

次第に落ち着きを取り戻し、「つる性」であることを思い出し、
これは何かの木に絡んでいる様子なのだと気が付いた。

ゲストハウス前庭のアルソミトラ。
つる性であることを忘れて、ただ感動していた。
高さは40mくらいはあるだろう。
だらーんと下がったつる(実際は枝である)
が、
まるでこの高い木の枝のように見えた。
ゆらゆらと風に揺れている。
この木の横の方に回ってみたら、
その枝に丸い葉がついていた。

高い木の枝のように見えるものが
何本も何本もぶら下がっていた。


ボゴール植物園に滞在中、毎朝、1人でアルソミトラを見て歩いた。
明るくなるのを待って、静かな園内を歩き、このアルソミトラをじっくりと観察した。

葉は濃い緑色で、つやがある。
ぶら下がっている枝の先は、みな、
ちぎれてしまっている。
葉脈が表では凹んでいる。
つるは葉のつけねに近いところから出て、
つかまるところがあれば、巻きひげとなるようだ。
2007/09/05


つるの巻き方を見ると、面白い。
日本で見たウリ科やブドウ科などの巻きひげのものと同じだった。
あちら向きに巻き始めたつるは途中から巻く方向を逆にし、こちら向きに代わる。

つるの巻き方は日本で見たウリ科やブドウ科などの巻きひげのものと同じだった。


このアルソミトラの木の横の方に回ってみたら、周りの木にとりついていた。
なんとすごい繁殖力!!

近くの木に這い回っている姿は、まるで谷から谷へ渡るつり橋のようだ。
東の空が白んできて、今、右斜め下から日の光がさしてきた。 2007/09/05

朝 6時30分ごろ、東の空の雲の間から太陽が見えてきた。
アルソミトラの木の真上に白い残月が。
(右斜め下から、日光がさしている。)

アルソミトラの真上で残月(月齢23)が弱い朝日に照らされていた。
このアルソミトラを 1人じめしているような気分になった。
2007/09/05



他のところでもアルソミトラを見ることができる。
この植物園の入り口に近いところに大きな棚がある。
棚からいきなり「さつまいも」がぶら下がっているような感じのソーセ-ジノキの果実と一緒に、
ヒスイカズラとアルソミトラの三者が絡んでいた。

朝早く、散歩に出たら、昨日落ちたヒスイカズラの花がはき集められていた。
ごみとして捨てられてしまう。もったいない!
見上げたら棚にはヒスイカズラの花序がぶら下がり、たくさん花をつけていた。

朝、1人で散歩に出た。
棚の上から「さつまいも」のようなソーセージノキの果実が
ぶら下がっていた。
ヒスイカズラの花もたくさん下がっていた。
この棚にアルソミトラも
下がっていた。2007/09/05
棚の下に昨夜のうちに落ちたと思われるヒスイカズラの花が、
ごみと一緒に掃き集められていた。
ごみとして捨てられてしまう。
アルソミトラの枝と
ソーセージノキの果実が
棚からぶら下がっていた。


その棚の隣りに、家があるが、人が住んでいないのか、
ベランダの手すりにアルソミトラが巻き付いていた。

空き家なのか、ベランダの手すりにつる(巻きひげ)が絡んでいた。2007/09/05


またその近くでは木にからむ様子が、まるで滝から落ちる水のようだ。

アルソミトラの枝がだらーんと下がっている様は
まるで流れ落ちる滝のようだ



もっと面白かったのは、近くの電柱を支えている針金を登っているアルソミトラだ。
この低い電柱では物足りなくなるだろう。その後はどうするのだろうか。

上の方からぶら下がった枝が、
電柱を支えている針金に取り付き、
登りはじめた。 2007/09/05
電柱を支えている針金に登りはじめた
のはよいが、もう上に到達した。
これからどこに行くのだろう。



別なところで、大きな木に果実が生っているという。
早速そこへ行った。
何の木だろう。大きくて高い木、40m以上あるだろう、とにかく高い。
そこにアルソミトラが這い上がっているのだ。

アルソミトラがつる植物であることを
忘れてしまいそうな感じの木。
高い。40m以上あるだろう。
アルソミトラの枝は20mくらい
ぶら下がっているように見えた。

この元の木は何なのだろう。
こんなに巻きつかれたら、
光合成ができなくなってしまうだろうに。

2007/09/05
近づいて見ると元の木には
大きな板根が見られた。
古木なのだろう。

アルソミトラはこのように大きくならなければ
果実をつけないのだろうか。

黄色の矢印と人の高さを比べて欲しい。
板根自体も人の背丈より高い。

アルソミトラではない木の枝が見られたが、
これが元の木であるかどうかは分からなかった。


果実が3個見えるという。
あまりにも高いので、私には2個しか見えなかった。
写真もよく撮れない。

果実が3個見えるというが、私には2個しか見えなかった。
高くて、写真もよく撮れない。
やっと撮れた果実の写真。

やがてこれが割れて、
種子がグライダーのように飛ぶという。

2007/09/05



この果実が割れて中から 
翼のついた種子が グライダーが飛ぶように舞い降りる姿は素晴らしいそうだ。
「ぜひ見た〜い」とみんなの声。
でもまだ緑色だから割れるまでにはしばらく月日がかかりそうだ。
うまくその時に出会うなんて至難の業であろう。

アルソミトラに出会えただけでも幸せなことであった。

植物園の中で、アルソミトラの種子を売ってくれる人がいたのでお土産に買った。
日本で買うより比べものにならないほど安かった。

園内で買った種子。翼が付いている。
種子が飛ぶとき、
この翼がグライダーのような飛び方を
演出する役目を果たす。
種子はこんな形。


また割れた果実を見せてくれたので写真に撮った。

大きな果実が割れる。
と言うより開くと言いたい。
持っている部分が
果柄だと思う
中に翼の付いた種子が
たくさんきちんと
並んで入っている。


以前、このアルソミトラの果実を見せていただいたことがあった。
この大きな「ヒョウタン」のような中に、あのグライダーたちが、整然と並んでいた。
そのとき、なぜ写真を撮らなかったのだろう。
返す返すも残念だった!

そのようすは、ガガイモ・キジョラン・テイカカズラなどの種子が
果実の中に種髪をつけて整然と並んでいたものと同じように見えた。


2011/12/01

今までの観察から、考えたこと


アルソミトラは「つる性の植物」であり、巻きひげで、手当たりしだいどこにでも巻き付きながら、高く高く登って行く。
その高さは40mぐらいでも平気なようだ。
もっと高いところがあれば登って行くことだろう。

そして、上の方から枝を垂らし、そこに花を付け果実を付けるものと思われる。
その枝は長いものでは20m超えるくらいだ。
その枝が風でゆらゆらと揺れている。
その枝もどんどん伸びて、ついに地上にたどり着く。
その後はどうなるのだろう。

またそのように体を支え、大きなヒョウタンのような果実をぶら下げる「強さ」は枝の葉の節から出ている「巻きひげ」のようだ。
高い所のつるの太さは どんな様子なのだろうか?
とても観察できるものではない。

また、このアルソミトラの花はどんなものだろうか?
果実を見ると、ぶら下がった枝から「つる?果柄?果序柄?」が伸びて、その先に、あのヒョウタンのような果実が1〜3個ぶら下がっているのを
見ることができた。
つまり「花序」であり「果序」であるように思われる。

次にチャンスがあれば
・花がぶら下がる「花序」を見たい。
・果実が割れて、高い所から舞い降りてくる「グライダー」のような「翼の着いた種子」の「優雅に飛ぶであろう姿」を見たい。

とにかく素人の私には、ここまでが精いっぱいの観察結果である。


高いところから枝を垂らし、その枝に果実がぶら下がっている。
枝は長いものは20mぐらいあり、
風が吹くとゆらゆらゆれていた。
ぶら下がった枝は、下に伸びて
ついに地面に着いた。
これからどうしよう。
これらの枝を支えているのは葉の出る
節から出ている「巻きひげ」である。


高い所にぶら下がった果実を撮ったのでピンボケだが、
お許しを。
四角の中に、3個の果実が見える。
→にはその3個の果実がぶら下がっている。花序の柄だろう。
だから、果実ではなく 果序だろうと思う。
花は花序で何個ぐらい咲くのだろうか?
ウリ科だから、或いは雌雄異株かも知れないな。2008/06/08
所によってはたくさんの果実を見ることができる。
四角の中は複数の果実、左から2個・2個・3個であった。
→はすべて1個。

これらはすべて花序であり複数個の花が咲いたのだろうが、
すべてが果実にはならなかったということだろう。2008/06/08


以上 2011年12月1日 追記



今回のボゴール植物園観察会で、
日本では絶対に見られないアルソミトラに出会えて、
しかもその生態を垣間見ることができて、
本当に幸せだった。




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