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ヒガンバナの花の数  彩り野菜

2007/07/25
 追記 2009/04/15  2010/05/01

ハマダイコンの花

植物に「帯化」(石化とも言う)という現象が起きることがある。
茎の一部が着物の帯のような平らな形になる現象のことだ。
奇形の一種である。
茎の先端に行くに従って帯の幅が太くなり、特に先端には花がごちゃごちゃとたくさんつく。
奇形の一種だから、すべての種類に現れるわけではないし、まためったに見ることもない。
私は何年に1回かずつ見ている、と言った状況だ。

私が出会った順に並べています。


現在、ここにUPしているものは、UP順に

ハマダイコン(アブラナ科)・オニノゲシ(キク科)・ヤセウツボ(ハマウツボ科)・ハボタン(アブラナ科)・カントウタンポポ(キク科)
多肉質植物 ・オニタビラコ ・ジンチョウゲ ・サクラソウの園芸種






ハマダイコン(アブラナ科)の帯化

                                                                   2007/07/25
2007年4月、隠岐の島でハマダイコンの帯化を見た。
特にアブラナ科での帯化現象はこのとき初めて見たような気がする。

隠岐の島にはハマダイコンがたくさん生えていて、観光資源のひとつにもなっている。
訪れた時はちょうど満開のときだった。

07/04/27 隠岐の島 知夫里島の赤ハゲ山展望台より

現地ではこの花を「野ダイコン」と言っているが、
ハマダイコンのことである。

ハマダイコンはダイコンの野生化したものだという説がある。

川の河川敷や海岸など砂地に群生していてどこでも見られる花である。


朝、ホテルの庭を散歩していると、
ハマダイコンの花がたくさん咲いている。
その中で花が何となく くしゃくしゃ としているところがあった。

なんとなく花がくしゃくしゃと集まっていた


近寄って見ると、そこの1株が帯化現象を起こしていた。
茎が帯のように平べったくなって先のほうに花がたくさんついている。
根元のほうの茎も帯化しているが、上の方に行くにしたがって、帯の幅が広くなっていた。



2007/04/27 隠岐の島
茎の先端の方に花がたくさん付く 茎は根元のほうから帯化しているが上の方が幅広い





オニノゲシ(キク科)の帯化

                                                                               2007/07/25

3年前の春、同じ現象を見た。
オニノゲシ(キク科)の帯化だった。多摩川の河原だった。
これも茎が帯のように幅が広くなり、茎の先に花がごちゃごちゃとたくさん付いている。

茎の先の方に花がたくさん付く


茎が帯のようになっている。





ヤセウツボ(ハマウツボ科)の帯化

                                                                        2007/07/25 

めずらしい帯化を見た。2007/06/05 千葉県
ヤセウツボの帯化だ。



  2007/06/05
ヤセウツボの帯化 あまり大きいヤセウツボではなかった


全寄生植物でも帯化が見られると言うことを知った。
オニノヤガラなども帯化がおきるのだろうか。




                                                                      2009/04/15

ハボタン(アブラナ科)の帯化

最近、近くの民家の庭でハボタンの帯化を見た。相変わらず珍しい。
ハボタンはアブラナ科、やはりアブラナ科でも見ることができた。
このハボタンの帯化現象が遺伝的に定着したものか、まだ偶然の突然変異なのかは
素人の私にはわからない。

葉を鑑賞する時期は終わり花茎が立ち
つぼみの時期となった。2009/03/31
花茎のてっぺんが、
つぼみがたくさん出てごちゃごちゃ。
帯化特有の現象だ。
帯の部分は平べったくて、
巾は7〜8cm。上の方が広い。
その帯の表面には葉っぱがたくさん。


よく見ると帯の部分は
茎がたくさん横にくっついている。

その帯からたくさんの葉っぱが
出ている。

その葉っぱの腋(葉腋)から
更に枝を出してつぼみを
付けているが、それらは、
両側の(外側の)茎から出ているものだけの
ようだ。

帯の中の方の部分には花が咲かないようだ。

2009/03/31


帯の部分の葉腋からも枝らしいものが細々と
出てはいるが(矢印)、

つぼみをつけている枝を出しているのは
やはり両脇の(花茎の)部分からである。


やがてこの花が咲き出した。 2009/04/12

帯化の特徴を表す姿である。正面から撮影。
帯化したヘリから出ている枝は 総状花序で
普通の咲き方をしている。
横から撮影。頭が重く首を曲げていた。
  2009/04/12


帯化した部分の小さな葉っぱの腋から短い枝を出したり
直接花柄を出したりして開花したりしている。

ごちゃごちゃした頭の部分は、どうなっているのだろう。2009/04/12



                                                                  2009/04/15

カントウタンポ(キク科)の帯化

最近、また帯化現象を見た。先日見たばかりなのに珍しいことだ。
(タンポポの同定は難しく、自信がないが、カントウタンポポだと思う)

茨城県のある草原を歩いていると、タンポポの大きな花が見えた。
それがタンポポの帯化だった。
しかも、近くでも見つかり、この日は2つの帯化を見ることができた。



2009/04/07
タンポポがたくさん咲いていた。
どうやらカントウタンポポらしい。
その中の1個の花を見て
ずいぶん大きな花だなあ と立ち止まった。
3個ぐらいの花がまとまって咲いている。もしや?
そこで花の下の花茎を見た。
1の花茎が帯化したもの・2の花茎は普通のもの。
明らかに太さが違う。
しかも、1の花茎は平べったくて上に行くほど巾が広い。
上の方が巾が広くなるのは、帯化の特徴だと思う。

また1株のカントウタンポポの中でも、
帯化しているのは1本だけであるのはどういうことなのか?




2009/04/07
同じ草原で、また 少し大きな花を見つけた。
今度はどうやら 花は2個がくっついているようだ。
花茎が これも平べったい。
これも帯化と考えてよいだろう。
花茎を見ると、縦に筋が何本か入っている様子が見える。

その後 周りを見ると、下記のようなものを 見付けることができた。
帯化とは関係ないのだろうが、面白いのでカメラに収めた。

しかし
この花は帯化現象を起こしてはいない。


タンポポは
 「花茎は枝別れはしない」と言われている。

でもこれを見る限り、明らかに
「枝別れの名残り」
といってよいのだろうか?!?!?

このことが帯化と関係があるのかどうか
分からないが・・・・

自然界には不思議があり過ぎる。
それがまた 植物観察の醍醐味でもある。




2010/05/01 

多肉質植物の帯化  

2009年5月初旬、友人のとこちゃんから、1本の多肉質植物をいただいた。
「帯化と思われるのでどうぞ」
ということであった。
確かに茎が帯状に平べったくなっている。

まだ花の咲く時期ではないのか、花は咲いていなかった。

その代わり、そこに付いている葉がやたらと多い。
今まで見てきた帯化現象はすべて花がたくさん咲いていたが、
花だけではなくて、葉もたくさん付く場合がある。

とにかく珍しいものなので、取り上げたい。

友人のとこちゃんから頂いたもの。花は咲いていない。2009年5月 帯化しているところは、茎の巾が1.5cmもあった。
でも、この茎の先端の部分は帯状になっていない。
枝分かれしているところの、左の方の茎は帯化していないようだが
右の方は帯化している。
植物体全体の姿を見てないので分からないが、
先端の葉の数が多いように思う。
また枝分かれのところと右の枝に付いている葉もたいへん多い。
右の枝でもすべてに葉がたくさんついているわけではなく、
一部分にかたよってたくさん付いているようだ。

ここで、改めて「帯化」とはどういうことか、と考えてみた。
「帯化」とは、茎が帯状に平たくなり、たくさんの花や葉が生じることである。
それは主に茎の先端に見られる。
というのは、「茎頂にある分裂組織が上に伸びずに、横の方向に広がってしまう」ためだそうだ。
ということから考えると、この場合は、果たして「帯化」と言えるかどうか?
疑問は残るが、素人の理解の限界を超えているので、この後は研究者に譲りたい。




2010/05/01 

オニタビラコ(キク科)の帯化?

2009年5月19日、埼玉県のある古刹を訪ねた。
その寺は低山の上にある。
山門まで道が拓かれており、車でも登れるが、私は歩いて往復した。
山を切り崩して作られた道の横の崖には、どこでも見られるような低い姿の草本がたくさん生えていた。
その中に、背の高いオニタビラコが何本かあった。
すでに5月半ば、花茎が伸びて黄色い花を咲かせていた。
何本かある中で、ふと目に留まったのが、「帯化」と思われるものだった。

観察の結果、これは、病気なのか、おそらく細菌性のいわばウイルスの仕業ではないかとも思ったが
私には分からない。

最近では、帯化の原因として、昆虫や細菌、土壌汚染などを考える研究者もいる。

こんな考え方もあるという意味で、取り上げた。

新しく開かれた道の横の崖にはオニタビラコなどの草本が生えていた。
2009/05/19  埼玉県
花茎の先の方が、帯状になり、なんとなくくしゃくしゃとしている。
周りにオニタビラコは たくさんあるが、このように帯状になって
いるものは、この株だけだった。
確かに、花茎の上の方は帯状になっているが、
花の数はそんなに多いとは言えないようだ。
花は茎の葉腋から出た枝に付いているので、
特に変わったこととは言えない。
それよりも、葉腋から出る枝と思われるものが、やや太くなって、
絡み合ったりしている。
1本の花茎には7本の枝が付いていた。
これらの枝に付いている花は特に多いとは思えない。
先端の帯状(番号7)の部分の花が少し多いという程度で、
特に多いとは思わない。
茎の先端の枝がまっすぐ伸びられず、茎に巻きついている。
これでも「帯化」と言えるのか、疑問になってきた。
茎をよく見ると、こんな状態である。
これは病気か? 細菌性のいわばウイルスの仕業ではないかと
思った。




2010/05/01 

ジンチョウゲの帯化

このHPを見てくださっている知人に鴨さんがいる。
鴨さんから次のようなメールが来た。

我が家で6年前に購入したジンチョウゲの木でまだ古い木ではないが、毎年一本の、一番先端の、決まった小枝に帯化が見られる。
今年もジンチョウゲの帯化が見られたので、その枝を友人のとこちゃん経由でお渡ししたい。

 
ありがたいことなので、早速お願いした。

とこちゃん経由なので、少し日にちは過ぎてしまったが、私の手に入った時も、十分観察ができた。

さらにありがたいことには、鴨さんも、とこちゃんも それぞれ写真を取っていてくださっていた。

そこで、私が撮った写真も含めてまとめることができた。

鴨さんと とこちゃんに感謝します。

花はまだつぼみだが、枝には帯化が見られる。
2010/01/10  鴨さん撮影
この写真を見ると、確かにつぼみの数が多いがどこかおかしい、と、
私(筆者)は思っていた。
 2010/02/22  鴨さん撮影
とこちゃんの手に渡った。開花が進んできた。
とこちゃんは「花の様子がおかしいので、写真を取っておいた」という。
2010年2月末  とこちゃん撮影
実物が私のところに到着した。
もう 花は咲き終わり、散り始めていたが帯化ははっきり分かった。
帯化の茎のまん中のところがおかしいのが分かる。
何本かの茎が癒着しているように見えるがこの状態は
このジンチョウゲに限ったことではない。
でも、まん中にある1本が気になった。
2010/03/04  私が撮影
花を落としてみると、疑問が解けた。
2つの塊の花が咲いていたのだ。
2010/03/04 私が撮影  
帯化している枝が、2分されずにくっついている様子が見られた。
2010/03/04  私が撮影

この2個分の花がくっついて帯化のように見えるものには、
この項の「タンポポの帯化」でも見られた。

私の気になることは、「毎年一本の、一番先頭の、決まった小枝に」と言うことである。
株全体を見ていないので、分からないが、
今年この枝を切ってしまったあと、来年はどうなるのだろうか?
これからも鴨さんと連絡を取って調べてみたい。


また、鴨さんからのメールは、

家の近くに以前畑だった土手があり、コマツナの花が咲く。
昨年は見事な?帯化がみられたが、今年は全然無い。 
やはり種で増えるものは、一年だけの変異なのでしょうか、
私の家のジンチョウゲは、もう固定してしまったらしいです。
 

と言うことである。

私にはコメントする力はないが、
このような奇形が、遺伝的に固定されてしまっているものもあるようだ。
したがって、次世代までも同じ性質を受け継ぐことになるのだと思うがどうなのか?
「石化ヤナギ」や「ケイトウ」などががそれに当たるという。

「ケイトウ」は1年草で種をまいて育てる訳だが毎年同じように帯化が見られる。
これが遺伝的に固定されていると言うことだろう。
また、石化ヤナギは、挿し木などで増やすのではないだろうか?
だとすれば、同じものができることは当然である。

では「ジンチョウゲ」はどうなのか?「コマツナ」はどうなのか?
疑問は際限なく続く。



2010/05/01 

サクラソウの園芸品の帯化

2010年2月ごろ、園芸店の店先に、サクラソウの園芸品の小さな鉢植えが並べられていた。
名前は「プリムラ・・・・」と書いてあった。

特にどうするという考えはなく、名前などどうでもよいが、
玄関前にでも飾ろうかと、花の色の違うものをいくつか買ってきて飾った。

その時は、花がまるで植木鉢から直接出ているかのようで、
葉も小さくて少なく、やがて来る春を待ちわびているかのような姿だった。

その後、少しずつ伸び始め、変化が見られるようになったが、
その中の1鉢に 「帯化」の現象が見られた。

買ってきたサクラソウは
その後順調に伸びた。

でも伸び方は、
それぞれ違ってきた。

左は買ってきた時と
同じスタイルのまま、
右は花茎が1本伸びてきた。


どちらも、2010/04/08撮影


2010年3月18日、その中の1鉢におかしなものがあることに気が付いた。
今までの経験から、「帯化」ではないかと思った。
よくわかるように、周りの葉や花を切ってみた。
明らかに「帯化現象」が起きている。
(帯化の部分にハサミで傷を付けてしまった!)

3月18日、葉や花を少し切ったら、中からつぼみがごちゃごちゃと・・・

そして4月4日

花の色の薄い部分が 帯化の起きている部分。
上から見ると、区別がつかない。花の大きさは同じぐらい。
中を見ると、間違いなく帯化している。
帯化の部分にはまだつぼみもあったが、開花している。
(3月につけた傷は癒えていた)

そこで、この帯化現象を調べた。(残酷のようだが、切って調べた)

帯化している部分を切り離した。

まん中の白い部分が帯化している茎が付いていたところ。
確かに帯状になっていて、たくさんの花が付いている。
間違いなく帯化現象を示していた。
しかし、よく見ると、左の部分と右の部分に分かれているようだ。
つまり、これも左右2つの部分がくっついているように思う。
例の「タンポポの帯化」や「ジンチョウゲの帯化」と同じ。
違うのは、花の数が多いこと。
力を入れて触ったら、簡単に2つに折れた。
(左の下の方で横に割れているのは、私が付けた傷)
花の数を数えようと、花をばらそうとしたら、
細かく分かれてしまった。
これらの花の数を合わせたら、57個だったが、さらに茎の下の方にも
切り落としてしまったつぼみがあるので、
それらを入れたら、かなりの数になるだろう。





今までの観察結果の考察  2010/05/01   

一口に「帯化現象」と言っても難しく私にはよくわからない。
いくつかの現象を見てきた結果次のようなことが言えそうだ。


、帯化現象は草本だけではなく木本にも起きている。(ジンチョウゲ・石化ヤナギ)
初めのうちは、帯化は草本だけに限ったものと思っていた。
寄生植物にも帯化現象がみられるとは思っていなかった。(ヤセウツボ)
私はまだ見ていないが、シダ植物にも見られると言う。ぜひ探したい。


、「帯化現象」が現れる原因は、いろいろあってはっきりとつかめていない。
帯化現象について、
植物の茎の先端には「芽」がある。その芽の中の先端には「茎頂分裂組織」があって、
その細胞が分裂していくことによって、植物は成長する。
その時、何らかの原因によって、大切な「成長点」の細胞分裂が異状を起こす。
成長点は正常なら上に向かって分裂をするのに、横に広がって分裂する。
その結果、帯化現象が起きる、一種の奇形である。
というのが私が理解していることだ。
問題は、そのようになる原因だ。
素直に「帯化現象だ」といえるものがあると思えば、オニタビラコのように、原因が細菌性かと思われるものもある。
多肉質の植物やヤセウツボはどうなのだろうか?
最近、帯化の原因として、電磁波・放射線・土壌汚染・肥料過多など、今の世相と関係があるような説まである。
研究者でさえ分からないものを私が分からないのは当然かも知れない。


、今まで見てきた帯化現象は、春に起きていることが多いのはなぜか?
帯化がおこる現象を考えると、春に多いのは当然のような気がする。
それは、春は植物の成長が旺盛である、つまり細胞分裂が活発であると思う。
先端の茎頂分裂も激しいだろう。
そのために、春に帯化現象が多く見られるのではないかと思った。
ケイトウの花は夏から秋に咲くがこれはもう遺伝的に固定されているので、一過性(一回きり)の帯化現象とは違うだろう。
だから、帯化が見られるのは春でなくてもよいことだ。
と思ったのだが、違っていたら訂正してほしい。


、最近、この帯化現象が多く話題に上って来ているような気がする。
テレビやインターネットなどでも取り上げれるようになっているように思うがどうだろうか?
原因があれこれ取り沙汰され、環境問題との関係で多くなっているのかも知れない。




2007/07/25

帯化現象は、このように何年に1回かくらいの割りあいで見ることができる。
しかしどこで出会うかは分からない。

今まで私は何回も見てきたが、今までキク科が多かったような気がする。
タンポポ(キク科)・ヨモギ(キク科)などの帯化を見たことがあった。


2007/07/25

この帯化の様子で思い出すことは
「ケイトウ」という鳥のとさかのような花を付ける植物がある。
また「石化ヤナギ」と言って、園芸店で売っている柳があるが、それも帯化ではあるが
遺伝的に固定した性質になっているという。
つまり2代目も3代目も同じように帯化が現れるということだ。


2007/07/25

これからもどこかで「帯化現象」を目にすることがあるだろう。
どんな種類の植物に見られるのか楽しみである。  



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