植物の話あれこれ


  

2010/11/12

「連理」とは

複数の辞典によれば
1本の木の幹や枝が他の幹や枝に付き、1本の木のように木目が同じになること。
夫婦または男女の深いちぎりのたとえ。

中国唐時代の詩人白居易の漢詩「長恨歌」の中の言葉から出たもので
「連理の枝」「比翼の鳥」などがここから出ているとのことだ。

今では「連理の契り」とか「連理の枝」「連理引き」などが使われている。
日本では「源氏物語」に、韓国では最近の映画「連理の枝」にも影響があったようだ。


さて、私がここで「連理の話」として取り上げたのは
実際に複数の木がくっつき合っている様子を時折見るので、取り上げることにした。

ここにとりあげたものが、「連理」と言うものかどうか私には分からないが、
今までにいくつか見てきているので、まとめてみた。



順不同。以前に見たものも画像が見つかったら、追加していく。
これからも、出会うことがあるだろう。



その1  イロハモミジとハゼノキ    小石川植物園

2010/06/01


若葉の季節。1本の木なのに、枝によって
葉の展開の時期がずいぶん違うなと思った。
近づいてみると、1本の木に2枚の表示が
ついている。
木肌の様子も明らかに違う。
左がイロハモミジ、右がハゼノキ。
2本の木が下の方で全くくっついている。
しかも、
ハゼノキがイロハモミジを完全に抱いている。
2本の枝が、木目がそろうことはないが
これだけくっついていれば
これこそ「連理」と言ってもよいだろう。

抱いている方のハゼノキは、イロハモミジを邪魔者と勘違いして、樹皮の部分を広げイロハモミジを包みこんでしまいたいのだろうか?
間もなく包み込んでしまいそうな気がする。


その2  ハルニレとハルニレ  長野県白馬村


2010/06/01

ハルニレの木に何がぶら下がっているのだろう。
宙づりになったような感じ。
どちらもハルニレ。どうして落ちないのだろう。???

ここを通る殆どの人が気がつかず通り過ぎて行く。
気が付くと何だろう と 不思議がる。
上を見ると、ハルニレとハルニレがくっついていたが、
片方の木が枯れてしまったらしい。
生きている方の木は、枯れた木をぶら下げたまま
どんどん太りながら先へと伸びていく。
枯れ木の方は、地面から伸びることはあきらめて、
根の部分を自ら腐り落としてぶら下がって着いていくしかない。

何回も訪れている所に、いつも同じような姿で、いつ行ってもこのようにしがみついている姿に変わりない。
この場合、丸印の部分は維管束がくっついているのだろうか?

この姿、いつまで見られるのだろう。

その3 エゴノキとエゴノキ 片倉城址公園

2010/06/01


エゴノキ同士がくっつき合っている。

矢印の3か所がそれである。


この場合、同じ木であるから、木の内部では
どんな結びつきをしているのだろうか?


特に、右側の矢印の部分がやや太く見える。

エゴノキ同士と言うことで、
形成層までくっついてしまったのだろうか?

維管束はどうなっているのだろうか?



その4 コシアブラとオオヤマザクラ  長野県 戸隠牧場


2010/06/01

山の中の一角に、
コシアブラとオオヤマザクラが込み合って
生えたいた。
そこには連理の様子が見られた。
白っぽい幹がコシアブラ、
茶褐色がオオヤマザクラ。
すぐ近くにシラカンバが生えていたが、
ほんの少し離れていただけで
連理の仲間に入れなかった。
コシアブラとオオヤマザクラの連理。
でもここ1か所だけではない。


あちらにもこちらにも連理が見られる。
左の木はコシアブラ、まん中がオオヤマザクラ、
右の太くて白っぽい肌の木がコシアブラ。
左の2本が×印に連理を起こしている。
上の方で○印のところは左から来た細い
コシアブラが右から来た太いコシアブラに
くっつき吸い込まれそうな連理になっている。
まん中の同じ位の太さの木は
手前がオオヤマザクラ、裏側の白っぽい肌の木
がコシアブラ。
この2本がくっつくように連理になっている。
○じるしのところも連理。

7〜8本の木が密生していることで、何か所もの
連理が見られた。


山の中で、何本もの木が密に生えていると、風が吹くたびに、こずえや木の枝が動くだろう。
そのことが繰り返されると、こすれてきて、最初は小さな傷で済んでも、それが繰り返しこすれると、樹皮の部分が痛んで来るのだろうな。
木自体は、傷をいやそうとして、樹皮を伸ばして傷を包みこもうとするだろうな。
その時、そこにあった他人の木でも枝でもくっついて、傷口がふさがるのだろうな。

などと 私は1人で そこに立って考えをめぐらしている。その時がまた楽しい。

この場合、コシアブラとオオヤマザクラの2種の木だが、
特に同じ種の場合の方が、くっつきやすく、維管束の方まで一緒になってしまうのだろう という気がするが・・・???

秋 紅葉の季節、青い空。
上を見上げるとオオシマザクラの紅葉と
コシアブラの黄葉と果実が見えた。
下にはコシアブラの黄葉が落ちていたが、
果実は落ちていない。
野鳥がついばむそうだ。


その5  ヤマグワ  1本の木  東京都 高尾山 


2010/06/01


1本の木が枝分かれしながら育ってきたが、
それらがまたくっつき始めた。
特に矢印の部分は巾が広くなっている。
この部分は内部までもくっついてしまったのだろうか?
これもやはり 同種だから???





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