植物観察旅行記  韓国:日本に似た植物  韓半島あちらこちら  済州島あちらこちら

済州島の天然記念物

2007/02/28

追記 2007/03/10

韓国には「天然記念物」がある。
1962年 「学術及び鑑賞的に価値が高い物の保護と保存」の為に「文化財保護法」によって指定された。
それらは動物・植物・地質・鉱物その他の天然物をいう。
現在342個が指定されているがそのうちの約40個が済州島にあるという。
その中のいくつかを訪ねた。



ハンラ山


済州島の真ん中に韓国で1番高い山がある。それがハンラ山で高さは1950m。

島のどこからでも見えると言うが、ほぼ全体の姿はなかなか見ることはできなかったが、
あるとき雪に覆われたハンラ山を見て感動した。(1月)


ハンラ山は四季を通じて楽しめる山だと言うが、私はこの山で有名なチョウセンヤマツツジを見る為に登った。
第1回目は5月でチョウセンヤマツツジを見るには一番よい時期だったが、
激しく降り出した雨の為途中で断念し、期待のチョウセンヤマツツジを見ることはできなかった。
第2回目は6月、開花の盛りは過ぎていると言われたが、
天気に恵まれ、真っ赤な世界に立ったときは疲れも吹っ飛んでしまった。


なおハンラ山については 別項で詳しく述べたい。


山房山


済州島は火山島である。
現在のハルラ山が出来上がるまでには、大昔から長い間爆発が繰り返されたが、
約20〜2.5万年前の激しい火山活動によってマグマが上昇し現在のハルラ山を作った。
そのとき寄生火山がたくさんできた。その数360以上。
それをオルムという。
小さな島にオルムがたくさんあるので、島のどこからでもオルムを見ることができる。

そのオルムの1つが「山房山」、高さ395mの山である。
この山は頂上まで登ることはできないが、お寺がありたくさんの人が訪れていた。

オルムは見る方向によって山の形が変わるが、
この山房山はお寺のある方向からははまるでモンブランのケーキのように見えた。


山の下の方にはお寺があり、山の中腹には洞窟がある。
その洞窟に向かってお参りの為の階段の道が整備されている。登れるのは洞窟まで。
その洞窟を目指してたくさんの人が登っていた。
ガイドはこの階段は「400段以上だ」という。


その階段の道を登りながら左右の山林の様子を見た。
海際ぎりぎりのところに位置しているためかマツが非常に多い。

そのマツに混じって日本でも見られるような木が生えている。
でもあまり大きいものは見当たらない。
海から吹き上げる風が強いためだろう。
また階段の横にはいくつかの草本も生えていたがすべて日本でもみられるものばかりであった。

植物名の同定について

済州島へは日本からはいくつものグループが植物観察に訪れている。
その時 資料としていただくものは、出典も分からないし学名もないものが殆どであるが、
力不足の私にとっては貴重な資料となる。

そこで、植物画像の下に(私)(資)として植物名を記入しておく。

(私)は私が同定したもの
(資)は今まで私がいただいた資料の中から該当すると思われるもの

植物名を同定するのは 難しく素人の私のやるべきことではないかも知れないが
あえて 植物名を記すことにした。
それほど韓国の植物は日本に似ているからである。

このHPをごらんいただいて間違いがあればぜひ ご指摘をいただきたい。
これからもより正確な植物名が分かれば修正していきたい。

以下の写真はすべて1月のものである。
階段の幅は登るにしたがって
だんだん細くなる。
階段の横は自生林が続く。 自生林はクロマツが多い。 人が入らなければ
これが自生林の始まりか。
落葉樹も常緑低木も
生えている。
(私)キヅタ・ウコギ科
(資)キヅタ
(私)トベラ・トベラ科
(資)トベラ
(私)クヌギ・ブナ科
(資)クヌギ
(私)ハマビワ・クスノキ科
(資)ハマビワ
松ぼっくりがたくさん。 (私)マルバグミ・グミ科
(資)マルバグミ
資料にはオオバツルグミもあるが
ここは自生だと思うので、
マルバグミとした。
(私)オオイタビ・クワ科
(資)オオイタビ・イタビカズラ
(私)イヌビワ・クワ科
(資)イヌビワ
(私)ツルウメモドキ・ニシキ
ギ科とテイカカズラ・
キョウチクトウ科
(資)ツルウメモドキ・テリハ
ツルウメモドキ・テイカカズラ
(私)ノグルミ・クルミ科
(資)ノグルミ
(私)ハマビワ・クスノキ科
(資)ハマビワ
(私)チョウセンレンギョウ・
モクセイ科
(資)無し
(私)ヤブツバキ・ツバキ科
(資)無し
マツの冬芽は白いので
クロマツとした。
途中から下を見ると
この山房山が海に突き出して
いることが分かった。


階段の横の隙間に草本類が生えていたが見慣れたものばかりだった。

(私)オオイヌノフグリ・ゴマノハ
グサ科
(資)オオイヌノフグリ
(私)ハルノノゲシ・キク科
(資)無し
(私)タンポポの仲間・キク科
(資)カントウタンポポ・
サイシュウタンポポ
スイセンが植えられていた。
観光地らしい様子が。
(私)ヘクソカツラ・アカネ科
(資)ヤイトバナ
(私)ヤエムグラ・アカネ科
(資)ヤエムグラ、


シダも生えていたが種類は少ないようだ。

(私)オニヤブソテツの仲間・
オシダ科
(資)オニヤブソテツ
(私)ホシダの仲間・ヒメシダ科
(資)ホシダ



柱状節理

済州島は火山島である。
マグマが上昇して露出し、冷えて固まるときに特殊な固まり方をする場合がある。
柱状節理とはその特殊な収縮現象によって六角形の石の柱が整然と並んでいる様子を言う。
節理とは岩の割れ目のこと。

石の柱の切れ口が分かる。 海中からマグマが出てきて
固まったことが良く分かる。
これは芸術品のようだ。
高いので崩れ落ちないかな。 素晴らしい景色だ。 海の向こうに寄生火山
(オルム)が見える。
済州島らしい風景だ。


日本でも各所で柱状節理を見ることができるが
済州島の柱状節理も立派なものであった。


済州市のコムソル(黒松)


日本語の説明板 さすが天然記念物! 高い黒松。 バスと比べる。

ここはハンラ山の神様にお祈りをする場所だそうだ。
凶を避け来福を願う。
そのお祈りをする壇の周りに生えている太い黒松が天然記念物だそうだ。
樹齢は500年〜600年という。

済州島では風が強いのであまり高い樹木は見られないが、ここの黒松は大きかった。
さすが天然記念物だな と思った。




 

城山日出峰

2007/03/10

済州島の代表的な噴火口の1つであるのがこの「城山日出峰」である。。

島の東の端に半島のように突き出ているのは巨大な岩塊である。
火山であるハンラ山ができたとき、その山麓に残余エネルギーによって
たくさんの寄生火山(オルム)ができたが、
この「城山日出峰」は海底から溶岩が噴出してできた「噴火口」である。
高さは180mで、頂上まで登ることができる。

頂上は噴火口と言うけれど、水が溜まっているわけではなく
草地になっていて放牧場になっている。

昔は島とこの岩塊は離れていたそうだが、その後の自然現象で現在は陸続きになっていて
陸上を通って訪れることができるようになった。とガイドの説明。

パンフレットやガイドブックでは巨大な噴火口の航空写真が載っていて、
それと分かるが、私たち観光客は地上からでは全体像を見ることはできない。

この「城山日出峰」と言われることについて
「城山」とは遠くから見るとこの全体の形が「大きな城」のように見えたから。
「日出峰」とはこの頂上から見る「日の出」が素晴らしい光景だから。

年間を通して、特に元日の日の出を見に来る人が多いそうだ。

ソプチ岬の菜の花畑からの
遠望。(1月)
海の向こうに城山日出峰の
全景が見える。
この形が城に見えたそうだ。
ソプチ岬では観光客のために
早咲きの菜の花を植えていた。
 (1月)
城山日出峰は昔は陸地から
離れていたそうだが今はつな
がっているので簡単に行ける。
山の左の方がつながっている
ことが分かる。
登山口。
トルハルバンのお出迎え。
そのすぐ横に時刻表があり、
1年間の毎日の日の出時刻が
刻まれていた。
料金所。
この日は山の上の方は霧で何も
見えないので私は登らなかったが
それでも料金は払った。
駐車場。
晴れていれば山の上の方まで
見える。
右のほうにお寺があった。
東岩寺 登って行くと立派なお寺だった。

済州島の観光には必ず訪れるところが2つある。
島の東海岸の「城山日出峰」と西海岸の「龍頭岩」である。

何度か訪れている人は「またか」という気になるようだが、私は
このオルム(寄生火山)に登ることよりも
このあたりの植物を見ることが楽しい。
季節によってまたその日の天候によって光景も雰囲気も違うし見られる植物も違う。
私は行く度に感激して帰ってくる。

登りはじめは石畳の道。 石は溶岩、穴だらけ。 傾斜がきつくなると階段になる。
行く手には頂上が城の建物の
ような姿で見えている。
この山の西海岸は断崖絶壁。
海には海女さんがもぐっている。
登りはじめて後ろを振り返ると
眼下の景色は素晴らしい。


以下は今まで私が撮ってきたこの「城山日出峰」の植物の一部である。
画像が良くないのは私の技術がよくないからなのでお許しをいただきたい。

木本類
(私)クロマツ・マツ科、 1月
(資)クロマツ
とにかく済州島はクロマツが多い。
特にオルムには多いようだ。


(私)イボタノキ・モクセイ科、 5月
(資)イボタノキ
海岸の波打ち際の溶岩の中に生えていた。
5月


樹木名札が付いていた。
すべての樹木についている
わけではないが。
(私)コクサギ・ミカン科、 1月
(資)コクサギ
果実が付いていたのが
同定の鍵になった。1月
果実が日本に比べて大きい。
5〜6mmある。1月
果皮の模様もはっきりしていた。
1月


樹木名札。
チョウセンレンギョウは
シナレンギョウの変種だと
思うのだが。ま、いいとしよう。
(私)チョウセンレンギョウ・モクセイ科
 1月
(資)チョウセンレンギョウ
枝が垂れていたので同定できた。


日出峰に登る階段の両側に
チョウセンレンギョウが咲いていた。
4月
花は大きくて豪華である。 なんと雄花だけだった。
雄花は雌花よりも豪華に見える。


(私)ツルウメモドキ・ニシキギ科 1月
(資)ツルウメモドキ・テリハツルウメモドキ


(私)ハマビワ・クスノキ科 1月
(資)ハマビワ
ハマビワの冬芽 1月 ハマビワ、冬芽の展開 5月
葉の裏 1月
葉脈が隆起する。
茶褐色の綿毛がびっしり。


草本・シダ類


(私)アザミの仲間・キク科、5月
(資)ハリアザミ・カラノアザミ・トゲアザミ・ホクチアザミなど多数。
この時ではないが以前に観察会で講師の先生が「ハリアザミ」と教えてくださった。
アザミの同定は難しいので、私の手には負えない。


(私)アズマギク・キク科、1月
(資)無し
この同定にも苦労した。
これも 講師の先生が教えてくれた。
家でたくさんの図鑑を見てどうにか
納得した。 5月撮影
図鑑によっては
海岸の崖にも
生えているとのこと。
一般にアズマギクは山の草原に
生え、弱々しい姿をしている。
ところがここは海岸に近く、姿もどっしりと
している。
茎頂に花が1個付く。
ロゼット 1月


(私)エゾキケマン・ケシ科、5月
(資)エゾキケマン
果実がくびれているので。


(私)オニノゲシ・キク科、5月
(資)オニノゲシ
5月


(私)カタバミ・カタバミ科、5月
(資)カタバミ
午後になったので花が閉じてしまった。


(私)カナムグラ・クワ科、5月
(資)カナムグラ


(私)カラクサナズナ・アブラナ科、
   1月
(資)無し
岩の間のロゼット、1月。
帰化植物はここでもいろいろ
見ることができる。


(私)クサフジ・マメ科、5月
(資)クサフジ


(私)クルマバアカネ・アカネ科、5月
(資)クルマバアカネ


(私)シロザ・アカザ科とコマツヨイグサ・
アカネ科
(資)アカザ、コマツヨイグサ


(私)トウオオバコ・オオバコ科と
シロツメクサ・マメ科、5月
(資)トウオオバコ、シロツメクサ


(私)トウダイグサ・トウダイグサ科、5月
(資)トウダイグサ


(私)ナズナ・アブラナ科、5月
(資)ナズナ


(私)ハマサオトメカズラ・
アカネ科、5月
(資)ヤイトバナ
木に絡まって果実が枯れて
いた。
果実の付き方が多い。
果実の大きさはヘクソカズラ
より少し大きい。


(私)ハマダイコン・アブラナ科
  5月
(資)ハマダイコン
山の上に登って行く途中で
振り返ったら素晴らしい景色が見えた。
韓国人が花の中でお花見を楽しんでいた。


(私)ボタンボウフウ・セリ科、5月
(資)ボタンボウフウ、タンラボウフウ。
私にはタンラボウフウが分からない。



済州島の植物は標高が低くなるほど、日本との共通種が多いと言われるが
ここは海岸であるため殆どが日本で見たことのある植物であった。

私が初めてここ「城山日出峰」を訪れたのは、2004年5月だった。
雨と風、上に行くほどひどくなり
後一歩で頂上というところで断念し下山した。
そのときは写真は1枚も撮れなかった。

その後、訪れる度に新しい発見があるのでこれからも訪れることだろう。
また植物の観察に行きたい。






この先 工事中のため通行できません。
近日中に通行できる予定です。

行き先の予定はサングムブリ・カヤ林自生林・天帝淵瀑布・万丈窟など。





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