花を訪ねて 


2008/02/20

追記 2008/05/15  2008/10/05  2009/04/15  2009/06/15  2011/09/01
 


観察会や旅行などで出かけると、思わぬところで絶滅危惧の植物に出会う。
初めからその植物を見るために出かけることもあるけれど、偶然出会った時の喜びは大きい。

その植物が絶滅危惧かどうか分からず、帰宅してから「ああ、そうだったのか」と分かることもある。
そんな時、写真を撮らずに帰ってしまったり、撮っても特徴を捉えていなかったりするとがっかりしてしまう。

またここではこんなにたくさん生えているのに、どうして絶滅危惧なのかと疑いたくなる場合もある。

今は植物園や公園などで、絶滅危惧植物を植えているところが多くなっているが、
自生の状態に出会う時の方が喜びは大きい。

今までに自生のものに出会った中から、撮影に成功した種名の植物を五十音順に並べてみる。
レッドリストのカテゴリーは 2000年と2007年では多少違うものがあるので、両方を挙げた。
これから見るものも、以前撮った写真が見つかったものも、順次並べていこうと思う。




種名五十音順に並べています。


現在、UPしている植物は次の通りです。

下記の植物名をクリックするとその植物にジャンプします。

アッケシソウエキサイゼリコウリンカサカワサイシンシチメンソウタチスミレチョウジソウトキホコリ
・トサミズキハナタネツケバナハナノキ  ・ホソバツルリンドウ




種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
アッケシソウ
(サンゴソウ)
Salicornia europaea アカザ科 アッケシソウ属 絶滅危惧U類(VU) 絶滅危惧TB類(EN)

2009/06/15

「さんご」のように赤くなる植物、アッケシソウだ。別名サンゴソウ。
秋になるとその全体(実際は茎)が真っ赤に紅葉して、真っ赤な絨毯を敷き詰めたようになるという。
どんな姿なのだろう、想像できない。

北海道の厚岸(あっけし)のカキ島で見つけられたので「アッケシソウ」と名付けられたという。
海岸の塩湿地に自生する多肉質の植物だ。
そこに行ってみたい、と思ったが、そこではもう絶滅しているらしいという。
でも他に自生地がいくつかあるので、有名な能取湖や野付半島を訪ねた。

さんごのように赤い植物、時期は幾分早かったようだが赤い絨毯を見ることができた。
向こうの方にオホーツク海が見える。     北海道網走市 能取湖 1996/09/17


紅葉にはまだ早いと思ったが思わぬところで
アッケシソウに出会えた。野付半島。
しかし、アッケシソウだけではなく、
他の植物と一緒に生えていて一面真っ赤というわけには
いかなかった。
ここのアッケシソウの赤はピンクが濃かった。

野付半島 2008/08/25




自生地ではどんな時でも、よく探すと、抜けたり、刈られたり
ちぎれていたりしている植物を探すことができる。

そんなとき、「来た甲斐があった」と一人でほほ笑む。

波にでももまれて引き抜かれてしまったのだろうか、
根が付いたままの全草を探すことができた。
野付半島 2008/08/25 トドワラを歩いた時。 複雑なつくりのアッケシソウ。


花は見られなかったがとても小さいそうだ。1目盛1mm 節が多く、節ごとに枝を対生に出す。
この茎は10個の節から枝を十字対生に出していた。
つまり20本の枝を出している。


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種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
エキサイゼリ Apoodicarpum ikenoi セリ科 エキサイゼリ属 準絶滅危惧(NT) 絶滅危惧TB類(EN)

2008/05/15


私が観察に通っているところに、エキサイゼリが生えている。
1属1種 日本固有の珍しい植物である。
春の訪れとともに芽生えて 間もなく開花し、その後伸びだした周りの植物の高さで見えなくなり、消えてしまう。
私が実際に見ているのは4月と5月。6月には他の植物のブッシュ状の中で探すこともできない。

エキサイゼリ  この太い根があるから、毎年春には元気に出てこられるのだろう。
2007/04/20  栃木県で


生えてきて間もなく、まだ花は咲いてない。
他の草とは離れた所に生えていたので観察しやすい。
2007/04/20  栃木県
 花が咲き始めた。


 花序が出る様子   2004/04/29


エキサイゼリとセリの鋸歯の違い。 2006/04/25   太い根      2007/04/20


小さな花、草丈は低い、うっかりすると
見逃してしまいそう。  5月
周りの草の中に埋まるようになった。 5月


花と果実。 どちらも小さい。


果実。
この果実のつくりがセリ属とは違うのでエキサイセリ属になったそうだ


花も実も付けたエキサイゼリ。間もなく周りの草に負けて地上部は見えなくなる。 2008/05/05


「エキサイゼリ」とは変わった名前だと思った。
「エキサイ」とは人の名。
江戸時代、日本の一部の武士や商人たちは、博物(植物も含む)に関する同好会をつくっていた。
「しゃべん会」もその1つ。その会のリーダーでもあった「前田俊保」は「えきさい」という号を名乗っていた。
その「えきさい」が、セリ科の絵を他人に書かせた。その中にこの絵があった。
それを見た牧野富太郎が命名したのが「エキサイゼリ」だそうだ。
学名の「ikenoi 」は、池野博士への献名。
牧野博士と池野博士の関係だがこの「エキサイゼリ」についてのお二人の関係ははっきりしないということだ。



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種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
コウリンカ Tephroseris flammea
ssp.glabrifolia
キク科 オカオグルマ属 絶滅危惧U類(VU) 絶滅危惧U類(VU)

2011/09/01

この植物の学名は図鑑によって違うようなので、2007年環境省レッドリストの学名を使った。

長野県の休耕田の中は雑草が生い茂っていた。まるで小さな草原のようだ。
その雑草に支えられるように、この花が生えていた。
花の大きさの割には茎が細い。
だいだい色の花は目立つが、残念ながら花の盛りは過ぎていた。


周りの草たちの丈に会わせるかのように、
花が見えている。

細い茎だが枝分かれしない。

周りの草をよけて見ると、葉が見えてきた。
下の方の葉は幅が広いが上の方に行くに従って
だんだん細くなっていく。
黄色の→を見てください。
葉には鋸歯があり、茎を抱いている様子が見える。


細い茎の先端に頭花が何個も付くが、重くないのだろうか?

頭花の集まりの中で、
まん中あたりに柄の短い頭花の開花が終わっているので
散房花序だろうか?

周りの舌状花が横から下向きになって行く様子が分かる。

舌状花が、花の盛りには下を向く、と図鑑に書いてあった。



2011年7月、長野県で


花の盛りには舌状花が下を向く。
そして枯れて勢いがなくなる。

茎の上の方の葉は細くなってくる。
(黄色の→)

茎の先端に付く頭花の数は6個〜3個などだった。

この花の周りの草は
ヨモギ・ススキ・オオバギボウシ・ハギの仲間など。


今回私が見た時はすでに花の盛りを過ぎていたが、
他の場所で植栽されていたこの花の最盛期には、目立つしきれいだし、人目に付きやすいものだった。
そんな理由で、園芸家に持ち去られて行き、絶滅危惧になってしまったようだ。
「やはり野に置けコウリンカ」と叫びたい。



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ゴマクサ(記載中)」

丈1m以上 1.5mぐらい。茎4画。花、がくあり、花弁合弁、開花後1日くらいで落下、雄しべ5本をつけて落ちる。うち1本は飾り雄蕊?花粉が見えない。がくと雌しべが残る。子房は萼にシッカリくっついている。よしはらの中で立っている。




種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
サカワサイシン Asarum sakawanum ウマノスズクサ科 カンアオイ属 絶滅危惧U類(VU) 絶滅危惧U類(VU)

2011/09/01


サカワサイシン・・・聞いてもぴんとこない種の1つだった。

2011年4月、高知県の佐川町に行った。
そこでサカワサイシンの自生に会うとは思いもよらなかった。

牧野富太郎がここ出身地で初めて発見した植物である。

珍しい花だから、折角出会っても、手に採って切り開いて調べることはできなかった。

そこで萼筒内部の様子は分からなかったが、見えた範囲の様子をまとめた。


花が1個開いていたが虫に食われていた。葉も食われていた。
どんな虫が食べたのだろうか?

内側は濃いえび茶色(黒紫色)で
周りは白い縁取りがはっきりとしている。
まだつぼみの時期だった。
まるで下の方にお団子を付けているように見えるが、
この球形のお団子は「萼筒」だろうか?
お団子とその上はつながっていて途中のくびれが大きい。

くびれの先の先端(萼裂片)は3つに分かれている。


ずいぶん大きな花だなあ」 これが第一印象。
以前、新潟県で「コシノカンアオイ」の花を見て大きいと思ったが、こちらはもっと大きい。
大きさを測ってくれば良かったが、後の祭り。

帰宅して図鑑を見ると、大きいものは6〜7cmだそうだ。
一方コシノカンアオイは2.5〜4cm、普段見慣れているタマノカンアオイは2.5〜3.5cm と書いてあった。


花は下を向いているが、地面の上に寝そべっているように見える。

もともと、このカンアオイの仲間は花が地面に付くように咲く。
時には、地面の枯れ葉を掘って見なければ、
花が咲いているかどうか分からないこともあるのだが、
この場合は枯れ葉の上に横たわっていたのですぐ見つけられた。
また、萼筒が真っ白であるからよく目立った。
葉の形は一定ではないようだ。

葉の模様の「雲紋」が多い。
常緑の多年性草本の仲間であり、葉が厚ぼったい。



余談ではあるが
サカワサイシンの道路上の標識。

佐川町を歩いたら、道路上に、
この標識が何枚もあった。

帰宅して調べたら
佐川町の「町花」だそうだ。

この町にとって、自慢の花なのだろう。
牧野富太郎が発見し命名した花であり
出身地でもあるのだから。


また余談になるが、こういう植物の道路上の標識は他にもある。汚水などのふたになっている。
兵庫県宝塚市を歩いていたら、スミレの花の標示が地面に点々とあった。
宝塚市の「市花」はスミレだそうだ。
宝塚劇団の「スミレの花、咲く頃・・・」に由来しているのだろう。



カンアオイの仲間はいろいろあるが私には同定が難しい。

図鑑に
「カンアオイのなかまで葉が常緑のものは日本産が30種近くあり、見分けは難しいが、
どれも分布域が狭いので、産地から種が推定できる」
「花がないと全く同定できないのが普通だ」(検索入門 野草図鑑 長田武正 保育社)
と書いてあるのを見て、なぜか安心した。


このサカワサイシンを見た時、花が咲いていたので、
普段見慣れているカンアオイやタマノカンアオイなどと比べると、違いがはっきりしているから、
「違う種だな」とすぐ分かった。
これが葉だけしかなかったら、気がつかなかっただろうし、たとえ教えていただいても、
何だか分からなかったと思う。


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種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
シチメンソウ Suaeda japonica アカザ科 マツナ属 絶滅危惧U類(VU) 絶滅危惧U類(VU)

2009/06/15

いつの日かシチメンソウを見たいと思っていた。
シチメンソウは海岸に生えている塩性植物で成長するにつれて葉や茎が赤や黄色などのいろいろな色に変わり、
あたかもシチメン鳥のようだということでその名がついたという。
自生地は日本では有明海が知られている。
今まで私は韓国のソウル近辺で何回か見ているが、日本では見たことがなかった。

九州旅行に出かけたときシチメンソウを見るために有明海に行った。訪れたところは 佐賀県東与賀海岸である。
しかし、わずか15分しか時間がとれなかった。

自然状態の波打ち際の海岸を想像していたが、そうではなく、作られた堤防の内側の泥地にびっしりとシチメンソウが生えていて、
観光客が自由に入れるように、歩道まで整備されていた。

それでも真っ赤に色づいた一面のシチメンソウを見た時は、「やっと見に来ることができた」という嬉しさで、興奮して走りまわり感激した。

時間がない。夢中で走りまわり、とにかく、写真を片っ端から撮り、落ちている(ちぎれている)葉っぱや果実など、なんでも拾った。

左上に見える柵の向こうが海、ムツゴロウが歩いて?いた。
観光客がたくさん来ている。        
                     
こちらは反対側を写真に撮った。右が有明海。
一面真っ赤に見えるが、何となく盛りは過ぎているように見えた。
2008/11/18


夢中で撮った写真のかずかず



果実が膨らんでいるのが
気になっていた。
これは花被が
膨れて厚くなるためだそうだ。


葉も果実も柔らかくて
膨らんでいる。

ピンクの中に黄色が1株。


これらの下にはちぎれた葉や果実などが落ちているが、その中で、珍しいものを拾うことができた。
どうやら発芽中のものらしい。
継続観察をしたいけれど、塩性植物を育てることは海岸に近いところでなければ無理だと思うので、諦めた。
渦巻き状の緑のものはなんだろうか?どこから根が出てくるのだろうか。
これらは枝についている時から渦巻き状になっていたものなのだろうか。
枝についている時、果実に触ってみるととても柔らかい感じがしたが・・・
胎生種子ではないか と思うような感じであった。
調べてみると、この渦巻き状のものは「胚」だそうだ。
画像の1目盛は1mm。



このシチメンソウは私が想像していた「赤」とは違い、「黒ずんだ赤」であった。
これは、盛りが過ぎていたからかも知れない。


参考までに、このHPの「シチメンソウのお出迎え」をご覧いただきたい。
韓国で見たシチメンソウを記録したものだ。




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種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
タチスミレ Viola raddeana スミレ科 スミレ属 絶滅危惧U類(VU) 絶滅危惧TB類(EN)

2009/04/15


普段見慣れているスミレの仲間とは
全く違う背丈の高いスミレである。

花を見ると、スミレであることに
納得する。



画像が古く 申し訳ありません。2003/06/08 茨城県
タチスミレは背丈が高いので、草むらの高い草に寄りかかるようにして
立っている。というより、そういう環境に生えるために、日光を求めて
背丈を高くしなければ生きられないのかも知れない。
弱弱しい感じの姿である。
ヨシなどの高い草の間から僅かに日光がさしている。




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種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
チョウジソウ Amsonia elliptica キョウチクトウ科 チョウジソウ属 準絶滅危惧(NT) 絶滅危惧U類(VU)

2009/06/15

河川敷などの低地の湿った所に生える。この様に群生も見られる。
きれいな目立つ花だから、盗掘も多いようだ。

あるとき、ある観察会で「チョウジソウが見られる」と宣伝したら、びっくりするほど大勢の人が集まった。
きれいな花・珍しい花を見て楽しむ人たちが多い今の時代を垣間見た思いだった。

最近、自生の植物を保護しようという意識が高まってきているのか、
時折 思わぬところで自生のこの花を見てきた。
意識の高まりの中で、盗掘を免れたわずかな株が勢力を盛り返してきたのだろうか。
その中で更に「自生地を守る会」などの献身的努力の賜物なのだろうと思う。

似たような環境の茨城県・栃木県・埼玉県などで時折出会うことがある。
その結果?? 準絶滅危惧種になることができた。


群生しているチョウジソウ、でもこんなに大きい群生は少ないようだ。   栃木県で  2008/05/05


咲く場所によって、ほっそりした
花弁のものもある。栃木県で。
こちらは、日当たりが良いところ
に生えていた。2009/05/02
つぼみがいやに大きい。
栄養状態が良いのか。
群生しているのでほっそりと。
葉の主脈が白いのが目立つ。


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種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
トキホコリ Elatostema  イラクサ科 ウワバミソウ属 絶滅危惧U類(VU) 絶滅危惧U類(VU)

2008/05/15

トキホコリは、畑の近くの湿ったところに生えていたという。また民家の庭に生えていたともいう。
 私が東京都で見たこの場合は、林下で日当たりのあまりよくないところであった。
また雨が降ればここに雨水が流れ込むような場所でもあった。
また 私が見た別なところでは湿原に生えていた。
お世辞にもきれいとは言えないが、滅多に見られない植物である。だから絶滅危惧種の仲間に入れられたのだろう。
このトキホコリに関する記事は少ないが トキホコリの名前について牧野植物図鑑には、トキは「不時」、ホコリは「繁る=茂る」の意味、
この草は「時々 所により繁茂するから」だそうだ。


日当たりのあまりよくないところに他の草と一緒に生えていた。
葉腋にはたくさんの花が団子のように固まってついている。         2007/10/24   東京都

葉はつやがあるが、1枚の葉が主脈を中心にして左右非対称の形が気になる。
これが特徴か。


こんなにたくさんのトキホコリ、でももっともっと 繁茂することがあるのだろうな。



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種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
トサミズキ Corylopsis spicata マンサク科 トサミズキ属 準絶滅危惧(NT) 絶滅危惧U類(VU)

2011/09/01


トサミズキは、公園でも植物園でも民家でも、たくさん見ることができる。
ところが「自生地」となると、そう簡単ではない。
丈夫で花のきれいなトサミズキのため、採られたり、また、蛇紋岩のところに自生するため岩石を採掘されて自生地を失って行くためだ、
と聞かされていた。
今では、自生地では殆ど無くなってしまった、と言うことを聞かされていて、私はそれを信じていた。

2011年4月、高知県を訪れたが、蛇紋岩の山の中で、たくさんのトサミズキに出会った。
講師の話では、「これらは自生だ」と言う。
たくさんのトサミズキを前にして、ずいぶん話が違うな、と思ったが、
この山の中には たくさんのトサミズキが生えていて、それらはすべて自生だそうだ。

この写真は、その山の入り口付近のもの、この道を登って行くと、たくさんのトサミズキに会えると言う。
この時には、もう花の時期が終わっていた。

帰宅して調べると、環境省レッドリストは、2000年には「絶滅危惧U類(VU)」であったものが、2007年には「準絶滅危惧(NT)」に変わっていた。
なるほど!!
絶滅危惧に関する意識の高まりの中で、こうして自生地が保護され、回復してきたことを嬉しく思った。


高知県の蛇紋岩の低い山の登り口付近のトサミズキの林。
ここから登ると、たくさんのトサミズキに会えるという。
花の時期にはまっ黄色に見えるそうだ。


参考画像

今ではどこに行ってもトサミズキの植栽が見られる。
3月、満開のトサミズキの花。 東京 新宿御苑で。
トサミズキの花の雄しべの葯は開く前は赤い。



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ノカラマツ(記載中)

雄しべの約が細長い。葯2.5mm、花糸を入れると6mm。雄しべ12〜15本あった。花弁無。がくが開花すると落ちてしまう。雌しべ(果実)が4個。雄しべが枯れる頃、目立つようになる。
葉っぱが独特の形をしている。






ノダイオウ(記載中)  

果実は3稜形、葉っぱの形をしていて葉脈が見えるが、種子の入っているこぶが見えない、のっぺらの3枚の葉っぱに守られている感じ、手で触ると、種子の入っているところが固くて分かる。中に3両形の小さな種子が1個入っている。
ヨシの中やその原のふちで見られるが、7月初めには枯れてしまって、枯草だけになっている。
大きいものは高さが2m位、花序は複総状花序で茎についているところから、てっぺんまでは1mあった。あちらこちらで枯れて倒れているものが見つかった。





種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
ハナタネツケバナ Cardamine pratensis アブラナ科 タネツケバナ属 絶滅危惧TB類(EN) 絶滅危惧U類(VU)

2008/10/05


私はこの花を釧路湿原で2回見た。それ以来見ていない。
非常に珍しい植物だから、調べるにも資料は少ない。
2000年には絶滅危惧U類(VU)だったものが、2007年には1ランク上げてTB類(EN)にされている。

このハナタネツケバナの詳しい記述は 釧路湿原の魅力 第2日 を見ていただきたい。
画像が良くないのはお許し下さい。




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種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
ホソバツルリンドウ Pterygocalyx volubilis リンドウ科 ホソバツルリンドウ属 絶滅危惧U類(VU) 絶滅危惧TB類(EN)

2008/02/20

2007年10月 福島県のある林道の道端でホソバツルリンドウを見つけた。
残念ながら見つけたのは私ではなく友人だったが私は思わず駆け寄った。
高さは30cmくらいで、細いつる性の茎を枯れた草の茎にからめて、かろうじて生きているような姿をしていた。

弱々しい感じの姿をしている。
細いつる性の茎が長い。花がついてはいるのだが。
つる性の植物で茎は右手親指方向巻き。

葉は単葉で対生。つぼみは細長い。
花弁が半透明なので、
中の葯の色が黄色いのがわかる。
合弁花で4裂している。
花弁の長さに比べて萼が長いように思う。

花弁をこじ開けて中の様子を見た。 雌しべを無理に取り出した。
子房は平べったくて楕円形をしていた。


私はこれまで、実物しかも自生の状態のものを見たことがなかったので、
この個体は日当たりのよくない林道脇に生えていたから、こんなに貧弱な体をしているのだろうと思った。

その後、知人から、自生の標本を2部見せていただいた。
どちらも採集地は山梨県の2ヶ所の林道脇の半日蔭で、1枚は9月下旬、あとの1枚は10月上旬であったという。
2枚ともに、姿は貧弱で、花は開花状態であったが、花も小さく色がわずかに紅紫色であった。

それらのことから、このホソバツルリンドウはもともと半日蔭の条件の悪いところで生育している植物なのだろうと思った。
そして、そんな環境に育っているから絶滅危惧の植物になってしまうのかもしれないと思ったのだが・・・
考え過ぎだろうか。



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種名(和名) 学名 科名 属名 2007環境省レッドリスト 2000環境庁レッドリスト
ハナノキ Acer pycnanthum カエデ科 カエデ属 絶滅危惧U類(VU) 絶滅危惧U類(VU)

2009/06/15


冬枯れの草原の向こうに、ひときわ目立つ真っ赤な花?
ハナノキの花だった。  2009/04/23  長野県


山の中は、コブシの白い花が目立つぐらいで、あとはひっそりと
静まり返り、やがて来る春を待っているだけ。
その中に真っ赤な花はよく目立つ。
近づいては見ても、高くてよく分からない。
雌雄異株だが、そのどちらなのかもわからない。


近くに花が落ちていた。雄花序だった。1個の冬芽の中に、4〜5個の
花が入っていたようだ。
雄しべが5本・雌しべは見えない。


こちらは雌花序。2本の柱頭がよく目立つ。
雄しべは短く退化していて申し訳程度についていた。
がく・花弁・おしべを外してみたら、
雌しべは果実の形をしっかりしていた。
2本の柱頭・2つの分果・果実の翼がはっきり見えた。


ここで見たハナノキについて、「自生ではないだろう」という説もあるようで、図鑑によってはここを「分布地」にしていないものもある。
私には、実証することはできないが、「ハナノキの自生とはこのような情景だろう」と思っている。

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