善福寺緑地公園



   朝の散歩で、見、聞き、感じた事を発信します。
 発信文には自作、他作の俳句も入れていきます。





11/5
 紅葉の季節になった。公園には楓が無いので、繊細ではなやかな紅葉はみられない。今一番の華やぎを見せているのはハナミズキである。赤い実と紅葉が同時に訪れるので何処にいてもその存在が分る。
 ソメイヨシノは秋はむしろ地味な存在でぱらぱらと残る葉は一度に赤くはならないで緑から褐色、赤と一本の木に色を散りばめて全体として微妙な色を醸し出している。むしろ地面の落葉の中にはっとするほど美しい葉を見つける。そしてたいていは無残な虫の穴が有って、哀れである。
 公園では紅葉よりも黄葉である。欅の黄葉は特に武蔵野の風景らしさが有って良い。秋と言う季節を実感させてくれる。公園を出て杉並区役所から阿佐ヶ谷6丁目に掛けての中杉通りの欅の並木道はこれからの見物になる事だろう。

  紅葉して桜は暗き樹となりぬ    福永耕二

8/18
 今年の夏は暑かった、でもやっと峠を越して少し凌ぎ易くなってほっとしている。公園には百日紅の木が十数本ある、この中には白色の百日紅も数本有ってとても美しい。百日紅は文字どおり百日咲きつづけ、この花が終わるまでは暑さも続くと言われている。所で最近ラジオ体操の会場付近で、茸が大発生している。一週間ほど前に欅の木の下に白いものが見えるので良く見るとえのき茸に似た茸が沢山生えていた。形はえのき茸に似ているけれど色は薄いねずみ色をしている。それから夕立やら、朝の小雨が続いたので茸群は一挙に広がってきた。えのき茸に似た茸の他にもう一種類なめこに似た茸も少し交じっていた。此処に何故茸が生えたかは、恐らく春下枝を伐採した時その枝を粉砕して地面に撒いた為ではないかと想像される。

    白日の無人のベンチ百日紅    敬子

7/17
  昨夜は満月で我が家の南窓から借景の公園にオレンジがかった真ん丸な月が美しく見えた。晴天の暑い日が続き、私の感じではすっかり梅雨は明けている。
今朝ラジオ体操が始る寸前にミーンミーンと蝉の声が聞こえた。今年初めて聞く蝉の声だった。ラジオ体操の会場は大きな欅の樹に囲まれた広場である。
     初蝉や欅の青の深まりて   敬子

7/9
 台風一過、早朝から抜けるような青空、昨日の台風で、地上には樹の小枝や葉っぱが,散乱
していた。3メートルばかりの桜のかなり大きな枝も一本折れて転がっていた。途中、民家の傾いた立葵の花の中に天道虫がいた。台風を避けて花の中に隠れていたのかもしれない。

               大降りの一夜過ごして天道虫         敬子

6/25
 善福寺緑地公園は五日市街道に掛る尾崎橋を挟んで上流下流3キロ余りの両岸に沿って広がる緑地である。私のマンションは尾崎橋から100メートルほどの五日市街道沿いに有る。
毎朝5時45分に家を出て尾崎橋から上流に向かって右側を遡り、公団荻窪団地の先の松渓橋でUターンして左側を下って、西田橋の傍、関東バスの五日市街道車庫の裏あたりの運動場で、ラジオ体操をして、戻ってくる1時間10ほどが私の日課である。

 普通雨の日は休む事にしているが今日は小雨だったので出かけてみた。雨続きで少し水量が増し、水が奇麗だった。川藻の緑が透けて見えた。雨のせいかいつも松渓橋のあたりで見る小鷺の姿が見えなかったのは残念だった。

 運動場ではラジオ体操の前、6時頃から盆踊りを踊っている人がいる。未だ少し寒い頃からはじめ、本番のお盆を過ぎても長く続けている。踊っているのは10人ばかりで、色々の曲をやるのだが今日は東京音頭だった。

     白鷺の佇つとき細き草掴み     長谷川かな女