マルチメディアと教育
コンピュータ技術がすさまじい勢いで進化しているのに日本の教育現場では
それが有効に活用できているのだろうか?
あいかわらず生徒を前に先生が何やら黒板に文字を書いているような
一方的な教育風景がいまだに残存している。
学級崩壊、いじめ、偏差値重視の最低の教育が横行しているのではあるまいか。
本記事はホームページのマルチメディアと教育に関係する記事を筆者がまとめたものである。
(2000年6月24日開設)

教育現場へのPDCAサイクルの導入について

品質工学ではPDCAサイクルが活用されている。
すなわちP(Plan計画)、D(Do実施)、C(Check検討)、A(Action処置)である。
品質とは単に製品などの物の質をいっているわけではないという。先生の教え方、教育、すべてにその質が問われてよいのである。
2000年現在でも教師の中でPDCAサイクルを認識して授業の進行を行っているのだろうか?

PDCAサイクル的な授業の進行は次のようになるだろう。
計画:授業開始にあたって、まず学習目標を生徒に提示し、問題解決方法を教える。
実施:次に生徒に課題を与え、問題を解決させてみる。
検討:生徒の解答および解答に至るプロセスに誤りがないか理解しているかチェックする。
処置:解答およびプロセスに誤りがある、理解していない生徒に正しく問題解決できるように個別にコーチする。宿題を与えるのでなく、その場で解決できるようにするのが望ましい。

小生が受けてきた授業のなかで悪い授業というのは授業のPDCAサイクルのバランスが悪いものである。それは講義が長すぎてD、Cの部分が完全に欠落していたりするもので、一方的な授業といわれるものである。
逆によい授業ほどDおよびCの部分が充実していて、その分時間も長くとっている。
泳ぎ方をマスターするには、まず水の中に入らなければ話にならないのである。
教師は自分の行っている授業のなかでこのPDCAサイクルのバランスが崩れていないか、考えなければならない。
現在の日本の教育で一番重要なのは絵に描いた餅をできるだけ減らすことなのである。

次にPDCAサイクルで重要な点はPDCAサイクルを回しつづけることだという。人間は忘れやすい生き物である。忘却曲線にしたがって一週間もたてば、授業で習ったこともほとんど忘れてしまうだろう。
そこで、忘れないようにするにはどのようなフォロー・アップが必要となるのだろうか。それは次回に
(2000年6月26日作成)


教育分野におけるバーチャルリアリティー導入についての提案
教育分野におけるバーチャルリアリティーについて

先日筑紫哲也のニュース23のインタビューにでていたインターネットは巨大な洞窟
の著者の意見によると「先生」と「生徒」の間にはなんらかの愛情が存在せねばならず、
直接の対話こそが必要であって、ネットワークなどが先生と生徒の間に入り込むべきではないという意見であった。
インターネット、マルチメディアの技術を教育現場に活用しようと試みた場合、前説によれば、遠隔地を結ぶバーチャルスクールなどの成立には否定的な立場である。このことについては実際の教育現場に立たれている方のバーチャルスクールへの期待や意見などをお聞きしたいものである。
さて、私見としてはバーチャルスクールを全面的に支持するのではないが、コンピュータテクノロジーはCAIなどの学習支援システムによりかなり有効に使えるのではないかと思う。
すぐできそうな活用分野を以下に示す。

教科書ハイパーテキスト化:教科書をすべてハイパーテキストにして疑問に感じたらクリックすると語句等、解説がなされるようにする。各科目上も垣根を越えてリンクできるようにする。
たとえば歴史の発展は産業革命に見られるようにテクノロジーの発達と密接な関係があるのだから、歴史の教科書と科学の教科書で互いにリンクさせると知識が連結され学習効果が上がる。
ドリルなどもハイパーテキスト化して、Javaなども活用。動的、インタラクティブなものにする。生徒は楽しく学習できるようになる。繰返し理解できるまで学習できる。

電子掲示板の活用:先生と生徒間で電子掲示板上で各テーマ、課題について討論意見交換させる。ときに疑問点についてはネットワークを通じて専門家に参加してもらうことも可能である。
また、同じ課題に取り組んでいるその他の人々意見もネットワークを通じて知ることができるようになる。

バーチャルリアリティーを使った図画工作などの美術への導入について:
3Dアニメーション製作など創造性を向上させると考えられるものは教育に取り入れる。
その他、バーチャルリアリティーを使って多くの生徒が協調的に一つのものを作り上げることも可能になる。

以上、コンピュータテクノロジーを教育分野に応用すると画一的、一方的であると言われている日本の教育を活性化できるのではないかと考えている。

(編集後記:教育分野におけるバーチャルリアリティーの導入は一番遅れている。その理由として、日本の教育機構が古臭いから?)
「バーチャルリアリティー会議室より 」(97年2月21日)

電脳ボランティア制度の提案について

最近、電子書斎というのが欲しくてたまりません。好きなときに手を伸ばしたら何でも好きな本が読めるような、 おそらく、それはインターネットで構築できるのではないでしょうか。 皆さんが無償で情報発信するだけで実現します。 本も絶版にするぐらいならインターネットで無料公開した方がずっとよいでしょう。 良い本=売れる本ではないことはよくあるはなしです。 版権の消滅した絶版本復活運動というのをインターネット上で展開できないものでしょうか。

「電脳ボランティアを動員せよ」 ボランティアでネットワーカー一人が一冊程度の情報を提供、発信すれば、 100万人で100万冊規模の膨大な情報量がサーバー上に蓄積できます! これは電子のピラミッド計画とも呼べるもので、インターネットで公的機関が本や情報の電子化のボランティアを募集し、 分担して割り当てれば驚くほど短期間で必ず実現することでしょう。 まずは古典から開始するとよいでしょう。 酸性紙に印刷され劣化した貴重な文化遺産、歴史資料を保護するためには、 電子化するしかないし、 本を電子化することで視覚障害の方々も読み上げソフトの利用で 点字使用なしで大量の本を読むことができるようになるのです。
 (2000年3月13日コバヤロボコム連絡ボード)



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