サイバーキャットロボコム君の大冒険 第17話

The stories of 'The Cyber Cat Robocom'
by kobaya robocom 1998


石の上に三年ロボット目次へ

サイバーキャットロボコム君がサイバーマウンテンを探検していたときのことでした。
山奥に流れる清らかな川の流れの真ん中にそう大きくない平らな岩の上で
ぼろぼろの胴着を身につけたヒューマンタイプのロボットが空手か、なにか武術の型の修行を
黙々とやっていました。

日が暮れてきて太陽エネルギーのパワーが低下してくると
ロボットはエネルギー消費を抑えるためパワーセーブモードに切り替えて
岩の上でじっと瞑想モードに入りました。

このロボットは焼けつくような真夏の日差しの下でも、
大きな台風の暴風雨のときも
そして凍りつくような冬の朝も来る日も来る日も岩の上で修行をつづけてきたのです。

やがて1000日が過ぎようとしてロボットのバーチャルビジョンには目には見えないけれども
説明不可能な、川の流れのようなある種の未知なる感覚が映っているようでした。

そしてロボットが三年間修行した岩からおりてきました。
ロボットがスケルトン構造のひざまで水につかりながら川岸まで歩いてゆく途中、
川の流れはロボットの足に付着した三年分の修行の汚れを清めてゆきました。

ロボットが悟りらしきものを獲得したのか、それともまったく無の状態のままなのか?
サイバーキャットロボコム君はロボットに歩み寄り
「やあ...」
と話しかけました。







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