サイバーキャットロボコム君が
木の下で雨宿りしているときのことでした。
気がつくとずぶぬれのギターを持った詩人が
ロボコム君の前に立っていました。
その詩人はギターを弾きながら
歌いました。
君の心には雨の音しかきこえない
君の心には雨の音しかきこえない
僕はこの雨がやむまで歌おう
たとえ雨音でかき消されようと
たとえこの歌が君の胸にとどかなくても
そしてきみの心の雨もいつの日かあがるだろう
詩人の歌をきいてロボコム君の沈んだ気持ちも
すこしましになりました。
「 ありがとう 」とロボコム君が詩人に声をかけると
そこにはもうだれもいませんでした。
けれどもまだ、雨は降りつづいていました。