ボティクス歩道

私たちの身の回りのみじかなところにひそんでいるロボティクスについて考えてみましょう。

関節技とロボティクスと何の関係があるのか疑問に思われる方も多いだろう。
柔術などの関節技をよくみると単に関節を固定するだけでなく、腕ひしぎ十字がためなど関節を伸ばした状態にもっていくものがある。(この技はプロレスの高田がヒクソン・グレイシーに2度もかけられて敗れたので有名。)
ロボットのアームも関節が伸びきった状態をヤコビアンの解である特異点と呼び、この状態では重い荷重のものを運べない。
ちなみにアブソリュート・エンコーダを内蔵していないアーム・ロボットは原点復帰した初期状態がこの特異点であることが多い。
柔術の関節技でも一度、関節が伸びきった特異点にもっていかれると関節を曲げるのに無限大の力が必要となり、技をはずすのは容易ではない。
昔の武術家は数学のことは知らなくても経験によってそのことを熟知していたのである。古武術も奥が深い。

このテーマは興味深いので体育大学の研究テーマにもなると思います。
(記事掲載2000年2月18日)


オートメーション化とロボット化ですが、生産工場を自動化するとき、どこがどう違うのかということですが、
そもそもロボットとは狭義には人間のからだの形状、動きを模倣した機械を指します。
工場では人間の腕を模倣したアームロボットが使用されていることが多いです。
ちなみに人間の指の動きを模倣したフィンガーロボットが実用化されたということは
あまり聞きません。これは指の動きを模倣したロボットの制御がむずかしいことを
意味しています。今後の課題でしょう。
話が少しそれましたが、
夏暑いとき、うちわで扇いでくれるのがロボット的な解であり、
ファンを回転させる扇風機がオートメーション的な解といえましょう。

(記事掲載2000年2月18日)


産業用ロボットには精度と耐久性が求められます。したがって精度の高い特殊な部品を使用し、開発には耐久テストなどが徹底的に繰り返し行われています。しかも民生品のように何十万個も売れるものではないので大量生産が行えず、ロボットの生産コストはあまり低下しません。しかし、ロボットの価格が下がればもっと多くの工場でロボットが導入されることになり、さらにロボットが売れる。売れると大量生産で製造コストが下がる。のよいループが実現できるかもしれません。
提案としては、ロボットの性能に規格的なランクを定めてはどうかと思います。
現状では0.1ミリの精度が必要なところと1ミリまでの誤差が許せるところに同じロボットを使っているケースが多いようです。
誤差の許容範囲は設計やラインを工夫すれば拡大することも可能なので、あまり高速度で動かないとか、そこそこの精度しか必要ないところに一つゼロの少ないような低価格のロボットが登場すればロボットがもっと普及するのではないでしょうか。


(記事掲載2000年2月18日)



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