1.西高は自由な雰囲気の高校という評判があります。受験前に持っていた印象と比べてどうでしたか。
遅刻・欠席は担任の先生次第。高1の時は遅刻にうるさい先生だったのであまりしなかったが,高2の時はそうでもなかったので30回ぐらい遅刻した。これでも多い方ではなく,一番多い人で70回ぐらい遅刻していたような気がする *2。
アルバイトは学校に届け出ればOK。西高は2期制なので10月初旬〜中旬に1週間ぐらい秋休みがある。このとき野菜の収穫のアルバイトをしたことがあって,日給10,000円ぐらいだった。
社会は,高1で世界史が必修。高2で必修の倫理のほかに日本史か地理を選択する。高3では政治経済が必修で,さらに地理・日本史・世界史・倫理・政治経済から1つ選択する。必修の政治経済は政治の分野が中心。大学受験で政治経済をとるなら,選択の政治経済で経済分野まで勉強しないと戦えない。
長期休暇や放課後の講習は,5回で1,000円。自由参加だが,先生の熱意や授業の質で出席率が大きく変わる。「講習の担当にあたっちゃったよ〜」というやる気のない先生の授業は,最後は40名中5人しか出席しなかったこともあるし,熱意のある先生の授業は最後まで9割以上の生徒が出席していることもあった *6。
講習以外の学習は生徒任せ。ただ,行事に対しては生徒よりも熱心な先生が多く,西高の伝統を守ろうとしている気持ちが感じられた。宿題はほとんどないが,英文の構文テスト *7が毎週あった。
種目は障害物競走など,普通の運動会で行われるものが多く,体育祭のような雰囲気はない。一番すごいのは騎馬戦(男子のみ)。本当の殴り合いになるので,救急車で運ばれる人もいる。また,組の色に合わせて髪を染めるのでとても派手。また,たとえば100m競争で3位以内だと賞品で西高オリジナルルーズリーフがもらえるなど,「俺は西高生だ!」という感じがしてけっこううれしい。
英語も予習中心の勉強が大切だが,単語や熟語の力をつけることも絶対に必要。そのためには家庭学習で時間をかけて学習する必要がある。友人と話していても「英語は時間をかけないとダメ」という話に落ち着く。だから,小・中学生のうちから予習や家庭学習の習慣を身につけておくと高校では非常に役立つ *9。また,得意教科は人に教えると自分が理解していないところがはっきりするので,友人同士で教え合うのも一つの勉強法だと思う。
ほんの1時間ほどのインタビューでもこれだけのお話を聞けました。まだまだ語り尽くせない高校生活だと思います。みなさんも充実した高校生活を過ごせるように志望校をしっかり考えましょう。
1997年7月号から始まったこのシリーズも15回目となりました。今回は,2年前に取材した札幌西高を卒業生の立場から語っていただきました。お話ししてくれるのは,大学受験に再チャレンジのためにがんばっているI love Nishiさん(男性)です。
自由な雰囲気や私服,新しい校舎にあこがれていたので,絶対に合格しようと思って受験した。入ってみると噂以上に自由な学校で,「こんなのでいいの?」と最初のころは思っていた。
2.校則などはどうですか。
携帯電話は,授業中以外は使用してもよい。クラスの半分は持っていた。ピアスは体育の時間にはずすように言われるだけで,他のときはOK。カラーコンタクトやブレスレット,お化粧などすべてOK。パーマ,アフロ,金髪,銀髪全部 自由 *1。ただしコギャルファッションはほとんどいない。流行に乗るというよりも個性を重視したファッションが多い。成績が悪いと一応注意されるが直す人はいないし,成績が良いと何も言われない(笑)。比較的地味な服装をしているのは全体の四分の一ぐらいで,この人たちに成績の良い生徒が多かったのも事実。でも,服装が地味とか成績が良いと言うことでクラスの中で浮いたりすることはまったくなかった。
3.部活ではオーケストラ部が有名だそうですが,他の部活はどうですか。
邦楽部 *3も有名。全国的にも数が少ないせいもあり,全国大会へ進出。学校の敷地内に会館があって,そこが邦楽部の専用のようになっていた。他に,将棋部も強い。スポーツ系では野球部とソフトテニス部が強い。野球部は午後8:00ぐらいまで練習をしているが,ソフトテニス部はその照明を借りて同じ時刻まで練習している。女子のソフトテニスはインターハイ出場が目標。男子は,自分がいたときは全道大会まで進出した。
4.芸術教科は,以前と同じ音楽・美術・書道ですか。
これは同じ。音楽は,楽器ができる人が優先されるということはないと思うが楽器ができないとつらいのも事実。高1・2で芸術教科を選択するが途中で変更できないので,得意な教科を選ぶのが一番。
5.理科・社会の選択はどうですか。
理科は,高1で化学が必修。高2で物理・生物・地学から1教科選択だが,理系は物理,文系は地学を選択することが多い。高3では,理系は化学が必修で物理と生物から1教科選択。医学部や獣医学部志望の場合は生物をとるのが普通。文系は化学・生物・地学から1教科選択する。
6.卒業時の成績はどうでしたか。
400名中,理系が200名で文系が200名と,ちょうど半々だったが,自分は理系で真ん中ぐらい。一番得意だったのは化学で常に20位以内だった。マークシート方式以外のテストだと10位以内になったことも多い。 *4。
7.授業などで他に特色はありますか。
先生方はみんな個性的だが,英語の先生が特に印象に残っている。新年度の最初の授業で,普通は説明で終わるのに,ある英語の先生だけはすぐに教科書を使って授業開始 *5。おまけに,あててわからなければその場で立たされて,結局40人中35人が立たされたのが記憶に残っている。
8.ロッテリアによく行くそうですが。
ロッテリアも行くが,スーパーのラッキーにもよく行った。テレビを見ることができる場所があって,ここでは無料のコーヒーが飲めるので,部活の帰りによく寄っていた。カラオケやボーリングは琴似近辺のお店を使っていた。また,週に1回ロングホームルームがあり,自分たちで計画をたてて内容を決めてよいので,この時間を利用して円山公園でお花見をしたこともある。
9.運動会はすごいそうですね。
1年から3年までを縦割りにして赤組・黄組・青組に分かれて競い合う。それぞれ応援団がいるが,応援団は一度やると一生の想い出になる。チアリーダーは1年生から強制的に選ぶが,青組は伝統的に硬派の組でチアリーダーがいないため,ちょっと寂しい組 *8。
10.学習面で後輩に伝えたいことはありますか。
高校では学年+2時間ぐらいの勉強で十分だと思う。自分は英語・数学の予習が普段の勉強の中心で,復習は試験前に行っていた。数学は不得意だと予習は大変だが,分からない点をはっきりさせて授業に臨むのが大切だと思う。また,数学は中学と高校ではかなりちがうので,中学のときに得意だったからといって油断できない。
11.想い出を一つ。
卒業式で,「これで卒業式を終わります」という司会の一言の直後に「ちょっと待った!」コールがかかり,卒業生3名が突然ステージに上がって「孫」を歌い始めた。その後この3人が,ある先生とこっそり作ったプリントを卒業生全員に配ったが,そのプリントの内容は「大地讃頌」と父母への感謝の呼びかけ。卒業生全員で「大地讃頌」をぶっつけ本番で歌い,父母への感謝の呼びかけを行った。先生方はこれを止めるわけでもなく,父母と一緒に見ていてくれた。 *10
12.最後に,西高に入って良かったと思うことをどうぞ。
他の学校とはちがう自由があったと思う。「自由」の意味を取り違えると大変なことになるが,西高の自由は自律と自己責任が必要。自分がしっかりした考えを持ち,行動に責任をとるという意識を持って自由を楽しんでいた。西高の良さは西高生にならなければわからないと思う。
*1 こんな高校は初めてです。でも,みんながそんな格好というわけではありません。
*2 だからといってまねしてはいけません。
*3 琴や鼓などの楽器を用いた音楽です。
*4 マークシート方式というのは,選択問題で選んだ答えについている○を塗りつぶして答える方式。
*5 私の高校1年の英語の先生もそうだった。立たされはしなかったけれど,「そういう考えは甘いですよ〜」と言われたような記憶が…
*6 先生の力が問われます。
*7 構文というのは「決まった形の文」。たとえば,There is〜.なら「〜がある」というパターンの文です。もちろん,高校の英語はずっと難しいです が。
*8 青組の応援団をつとめたOBから,「自分は西高の青組応援団として3年間過ごしてきました。そして,現役を引退した今,3年間青組でよかったと思っています。」というコメントをいただきました。
*9 小・中学生諸君! この言葉をぜひ覚えておきましょう。
*10 とても感動的だったそうですが,その場にいなかった私の筆力ではその感動がお伝えできないのが残念です。