さて,どんな話題がよいかと考えましたが,中学・高校の体験談については他の先生によってかなり語り尽くされてしまった感があり,また私もみなさんに語って聞かせるほどインパクトのある思い出を持っているわけでもありません。そこで,つい最近(それでも3年ほど前ですが)の話になりますが,漢字検定 *1 を受検した時のことについて少々お話したいと思います。
私が漢字検定(以下,検定と略)を受験しようと思ったきっかけは,漢字に興味があった,何か資格がほしかったといったものでした。これは英語検定などを受検した経験のあるみなさんの動機とそう異なるものではないでしょう。ただし,私が普通でなかったのは,「どうせ受験するのであれば1級を」という,ある意味大それた目標を持ったことでした。無論ばくぜんとそう考えたのではなく,漢字が昔から得意だったという自信や,どうせやるならてっぺんまでという向上心といったものは当然のことながらありました。
しかし私の中でそれらと同じくらい大きなウエイトを占めていたのは,「1級=とても難しい,だから受かれば大きい」,「難しいから落ちても誰も不思議に思わない」といったいわゆるギャンブル精神というものだったのです。この考え方がほめられたものか否かについてはとりあえず措きます(笑)*2。
そんな決して純粋とはいえない動機によって受験を決意したわけですが,当然のことながら受験勉強もした上で試験に臨みました。この時の結果は,やはりというか不合格でした。しかしながら試験などでみなさんも経験しているとは思いますが,失敗のしかたにも「箸にも棒にもかからない」失敗から「もう少し頑張ればいける」失敗まで,程度の差というものがありまして,私の場合後者だったのです(少々ひいき目に見ましたが)。これをきっかけに私も意地でも取ってやろうという気になってしまいました *3。いわゆるハマッたというわけです。
そんなことを2年ほどくり返していたとき,例によって検定のパンフレットをなにくれとなく見ていると,「2000年度合格者にはこの年限定の賞状をプレゼント」という見出しが目に入りました。これを見た瞬間,私は「これはいい」と思いました。というのは,負け方にいろいろあるように勝ち方にもピンからキリまであり,わたしは,「2000年度第1回の試験で1級に合格し,しかも合格者番号第1号になる」という勝ち方にこだわってやろうと思ったのです。そんないきさつで,さらに勉強に熱が入った私は,2000年度第1回の試験に臨み,合格したわけです。ただし,一番最後の「合格者番号第1号になる」という目的は残念ながら達成できず,私の実家には今でも「00110000002号」と書かれた賞状が飾ってあります *4。
長々と体験談を述べてきたわけではありますが,みなさんも「負け方」はともかく,おもしろい,または記憶に残る勝ち方にこだわってみるのはどうでしょう。これは目標は各自で設定できますし,いろいろなときにできます。受験勉強でそこまで手が回らない方も多々いらっしゃるでしょうが,ただ漫然とやるよりは遙かに身が入ると思うのですが,いかがでしょうか。
2.次の熟語訓・当て字の読みを書きなさい。なお,E,Fは国名・地名です。
*1の解答:A=遖 B=蓙 C=閊 D=パイナップル E=ティモール F=スイス