小道具


  松本の詞を聞いていると、よく情景を頭の中に浮かべることが出来ます。 というのも場面をなす”小道具”が効果的に使われているからです。
オルゴール
銀のオルゴール(太田裕美)
  「動き出す汽車のデッキに 小走りに渡すオルゴール
走り去るレールのひびき 風に鳴る銀のオルゴール
   今頃は列車の窓で ゼンマイの切れたオルゴール」

  秘密のオルゴール(川田あつ子)
  「私は秘密のオルゴール 透き通る愛の詩」

カバン、鞄
アゲイン(アグネス・チャン)
  「革張りの旅行鞄は青春のスーベニールよ」

  真実(小林明子)
  「旅行鞄抱いて待つわ 星空に浮かぶ駅」

  茶色の鞄(太田裕美)
  「人は誰でも振り返るのよ 机の奥の茶色の鞄
   もう帰らない遠い日なのに あの日のままの茶色の鞄
   運ぶ夢など もう何もない 中は空っぽ茶色の鞄」

グッド・ナイト・ミスロンリー(アグネス・チャン)
  「君がよそ見した時 鞄に薬入れた 船に弱い君への 最後の思いやりさ」

グラス
サマー・トワイライト(五十嵐浩晃)
  「きりがないからやめようかって 君はグラスの縁を弾いた」

  さよならの季節(石川セリ)
  「透き徹るワイン・グラスを ゆらゆら横切るあなたの顔」

  めぐり逢い(石野真子)
  「私に気付いた時に グラスが宙へと止まる」

真珠のピリオド(岩崎宏美)
  「あなたの手のグラスを指ではじいて 私たちの短い夏に乾杯」

コイン
3つの銅貨(アグネス・チャン)
  「ねえ倖せを失くした時は 3つの銅貨があればいいのね 3つの銅貨があればいいのね」

  握手でグッバイ(北川剛)
  「握手でグッバイ 二人のコインを 握手でグッバイ コップに沈めて 哀しみがあふれないように」

コカコーラ
嘆きのリンダ(近藤真彦)
  「缶のコークひとつ買って回し飲みした」

サングラス
東京メルヘン(木之内みどり)
  「つめたい人ね サングラスへと あー 街陰を映したあなた」

  魔女(小泉今日子)
  「私は黙ってサングラス外し 「馬鹿ネ」ってつぶやき哀しく見るわ」

  夕陽よ、俺を照らせ(西城秀樹)
  「暗いサングラスを外さないのは 揺れる気持をかくしたいから」

  One more time(近藤真彦)
  「濃い目のサングラス外せば あどけない顔さ」

シルクハット
リンゴの森の子猫たち(飯島真理)
  「シルクハットのアヒルが踊るの」

写真
気分はハートブレイク(小泉今日子)
  「免許証の写真を 君 思い切り笑ったね」

  三枚の写真(石川ひとみ)
  「過ぎた月日が 残したものは ああ三枚の写真だけです」

木綿のハンカチーフ
  「見間違うようなスーツ着た ぼくの写真 写真を見てくれ」

  火のように水のように(大橋純子)
  「限りなく遠いのは夏 あの人と写した写真」

  女学生(岡田奈々)
  「あなたの写真をそっと 定期入にかくしたら 放課後友達にふと見られました」

  親父よ(かまやつひろし)
  「古びた写真のイガグリ坊主 俺に生き写しのりりしい眉」

スカーフ
卒業(斉藤由貴)
  「セーラーの薄いスカーフで 止まった時間を結びたい」

スプーン
夢色のスプーン(飯島真理)
  「倖せと不倖せをかきまぜる 夢色の小さなスプーン ひとしずく愛をのせて
   目立たずにひそやかに光っている 夢色の小さなスプーン」

煙草
Still I Love you(安部恭弘)
  「ポケットの最後の煙草 マッチ探す俺さ」

  聖・少女(西城秀樹)
  「最後のタバコに火をつけてくれよ」

  ハート通信(石川ひとみ)
「あなたの車の灰皿で見た ルージュのしみてた 誰のシガレット」

真珠のピリオド(岩崎宏美)
  「あなたの煙草へとマッチするけれど 風に吹き消されて最後に泣き笑い」

  イン・ザ・レイン(大宮京子&オレンジ)
  「色褪せたパラソルで 濡れた煙草くわえてたの」

  ラスト・ワルツ・イン・ブルー(金井夕子)
  「あなたが浮かべた薄荷煙草の煙が瞳にしみて痛いわ」

  ビートルズはもう聞かない(ガロ)
  「吸えない煙草に火を点けて 涙もこぼさずに」

タオル
えとらんぜ(五十嵐夕紀)
  「タオルを巻きつけ マンションの窓」

  絵空事(岩崎宏美)
  「ジョギングの靴の軽さと首に巻くタオルの青さ」

茶碗
3つの銅貨(アグネス・チャン)
  「紅茶茶碗の口紅が 恋の終わりを告げている」

定期
面影ありがとう(五十嵐夕紀)
  「旧びた定期の皮ケース 今では電車に乗ることもない」

テープ
氷イチゴの頃(木之内みどり)
  「あなたがくれたカセットテープ 声で綴ったラブレター」

手紙
FUNNY LADY(安部恭弘)
  「楽しかったわなんて 置き手紙がひとつ」

  檸檬(岩崎宏美)
  「青い青いレモンを 別れの手紙で包み 青い青いレモンを あなたの胸に投げたい」

四季絵巻(太田裕美)
  「渡さず仕舞の手紙の数々を 机にとりだして てれながら読みます」

  今シルエットのように(大橋純子)
  「走るはしけたち ならぶ異国の船の灯り 明日 あなたへと こんな夜景の葉書き出すわ」

  秘密のオルゴール(川田あつ子)
  「照れながらあなたがくれた 手紙だけこっそり読んで」

ホレたぜ!乾杯(近藤真彦)
  「赤い日除けの港のカフェで 奴の手紙を君に渡した」

手帖
旅の手帖(石毛礼子)
  「星あかりで書く旅の手帖 昨日から明日まで私は旅人」

ネックレス
ブルージンズ メモリー(近藤真彦)
  「KIRARI 眩しい胸には きらめく銀のネックレス」
   「動く列車の窓から お前が投げたネックレス ホームを走る俺への やさしさのしるしなんだね」

ハイヒール
赤いハイヒール(太田裕美)
  「胸ポケットにふくらむ夢で 私買ったの赤いハイヒール
   石ころだらけ私の青春 かかとのとれた赤いハイヒール
   いちどはいたらもう止まらない 誰か救けて赤いハイヒール」

ハンカチ
雨の月曜日(アグネス・チャン)
  「しきりにシャツのそでで 涙ふくあなた Umハンカチーフ Umはにかんで返す」

  木綿のハンカチーフ(太田裕美)
  「ねえ 涙拭く木綿のハンカチーフ下さい」

パンフレット
セシールの傘(飯島真理)
  「映画のパンフレット セーターの胸に抱いていた」

ファッション雑誌
セクシャルバイオレットNo1(桑名正博)
  「ファッション雑誌を膝から落として 駆けよる心が たまらないほど」

ブルゾン
トパーズ色の月(安部恭弘)
  「ヒーターが切れると まだ寒い夜 ぼくのブルゾンをかけなよ 胸の上に」

ブレスレッド
L'AMANT(石井明美)
  「偶然ね 腕に銀のブレスレット」

檸檬(岩崎宏美)
 「わざと違う名のイニシャルをほり込んだブレスレットをしていたのは あなたを妬かせたいから」

ブローチ
マニキュアの小壜(太田裕美)
  「レースの服にルビーのブローチ」

帽子
茶色の鞄(太田裕美)
  「のばした髪に帽子をのせたあいつの影が ねえ見えるようだわ」

  ダンディー(大野真澄)
  「パナマの帽子を 指で回した」

ポシェット
摩天楼(岩崎宏美)
  「哀しみとあのとき言えない 言葉だけポシェットに入れて」

ボタン
卒業(斉藤由貴)
  「制服の胸のボタンを 下級生たちにねだられ」

本、小説
紅い花(浅田美代子)
  「あなたが読んでた小説を 背中にかくしてしまいます」

  ひとり芝居(石川セリ)
  「借りっぱなしの本もみんな 返せないまま棚の隅に…」

マッチ
メヌエット(上田知華)
  「一本のマッチ灯すと 炎へとあなたが揺れた」

マッチ箱
海岸線(柏原芳恵)
  「マッチ箱に貝殻入れて 淋しい時は振るのよ」

マニキュア
マニキュアの小壜(太田裕美)
  「顔より心と言ってたくせに きれいになれよって マニキュアの小壜
夢だけ食べちゃ生きて行けないと 言葉にひびわれた マニキュアの小壜
   これから私は旅に出るつもり 海辺に沈めましょう マニキュアの小壜」

指輪、指環
アゲイン(アグネス・チャン)
  「花の指輪はめて君を待つよと」

  Rainy Day Girl(安部恭弘)
  「薬指には銀の指輪 見て見ぬ振りを続けたのさ」

  危機一髪(アンデルセン)
「銀の指輪をそっと君にはめてあげるよ」

サファイア・ブルー(郷ひろみ)
  「薄い手紙は別れの文字 封筒の底に光る指輪」

木綿のハンカチーフ(太田裕美)
  「都会で流行りの指輪を送るよ 君に君に似合うはずだ」

  揺れる感情(太田裕美)
  「ううんあなた何にもいらない 銀の指輪も小さな家も」

  若い季節(岡田奈々)
  「あいつがくれた 硝子の指輪 薄いサイフに 北風吹いた」

  ジェラシー(北村優子)
  「キラリとひかるハートの指輪 それは誰からもらったのでしょう」

ヨーヨー
ヨーヨー(木之内みどり)
  「ヨーヨー ヨーヨー 行ったきり戻らない
   ヨーヨー ヨーヨー 悲しみはただ空回り
   ヨーヨーがひとつ転がる 遊びあきられた淋しさ」

ライター
飛んで火にいる夏の恋(相本久美子)
  「男が忘れたライターひとつ 水面に投げればキラキラ沈む」

リボン
1グラムの幸福(飯島真理)
  「赤いリボンをかけた 愛を抱いて」

ワル!(五十嵐夕紀)
「髪のリボンが純情そうだ」

ルージュ
聖・少女(西城秀樹)
  「八月の海を水鏡にして お前はルージュを海に投げるのさ」

  嘆きのリンダ(近藤真彦)
  「遠い夏のルージュひとつ描く アア イリュージョン」

ルーペ
ティアドロップ探偵団(イモ欽トリオ)
  「桃色のカーディガン ルーペを片手に尾行する」

レイバン
ハイティーン・ブギ(近藤真彦)
  「黒いRay Ban外す 俺の眼に嘘は無いさ」

レコード
ひとり芝居(石川セリ)
  「レコードは何をかけましょうか?」

  ビートルズはもう聞かない(ガロ)
  「すりきれたレコードだけが 悲しみ回してる」