98年度版道徳教育講義


98年度版道徳教育講義

●このページでは、上越教育大学大学院「道徳教育特論」および「道徳教育論演習」の受講生の皆さんと、上越教育大学「道徳教育論」および「道徳教育演習」の受講生の皆さんに授業に関連する情報を提供します。
●前期は院の「道徳教育特論」と「道徳教育論演習」、学部の「道徳教育演習」が開講されます。後期には学部「道徳教育論」が開講されます。

目次: 学部「道徳教育論」(後期開講)学部「道徳教育演習」大学院「道徳教育特論」大学院「道徳教育論演習」


上越教育大学「道徳教育論」シラバス


この授業は後期に開講されます。


科目番号

2421 

学期

後期

曜日・時限

 木曜日 1時限

授業の方法

講義

単位数

単位

標準履修年次

 

履修方法

必修

専修・コースの指定

なし

担当教官

 林 泰成

授業概要・目標

 道徳教育に関するさまざまな理論と実践を取り上げ,検討する。講義形式で行うが,ビデオ視聴や話し合いの時間も設ける予定である。

履修条件・注意事項

 なし。

授業計画・内容 各回のテーマをクリックするとコメント・板書事項などを見ることができます。

1回、導入(10月8日)
2回、道徳教育とは何か(10月15日)
3回、我が国の道徳教育の歴史(10月22日)
4回、学習指導要領(10月29日)
5回、インカルケーションの道徳教育(1)(11月5日)
6回、インカルケーションの道徳教育(2)(11月12日)
7回、道徳性発達理論(11月19日)
8回、ジレンマによる道徳授業(ビデオ)(11月26日)
9回、ケアリング倫理と道徳教育(12月3日)
10回、価値明確化の道徳教育(12月10日)
11回、学習指導案の作成(12月17日)
12回、道徳教育と教科教育と生徒指導(1月14日)
13回、道徳教育と公民教育と宗教教育
14回、学習指導案の返却および講評
15回、まとめ

成績評価の方法

学期末試験,授業中の小レポートおよび出席状況をもとに総合的に行う。

教科書・参考書

(テキスト)佐野安仁・荒木紀幸編『道徳教育の視点』晃洋書房

(テキスト)文部省『小学校指導書:道徳編』大蔵省印刷局


上越教育大学「道徳教育演習」

科目番号

4207

学期

前期

曜日・時限

木曜日 3時限

授業の方法

演習

標準履修年度

4

単位数

単位

履修方法

選択

専修・コースの指定

なし

担当教官

林 泰成

授業概要・目標

近年、コールバーグ理論に基づくモラルジレンマ授業が広まってきている。本演習では、その実践報告の検討を行う。

履修条件・注意事項

なし

授業計画・内容

1回、導入
モラルジレンマ授業の基本的なスタイルについて説明しました。
2回、ターザンロープ:小学1年
テキストの検討を行った後、「ターザンロープ」の資料を用いてロール・プレイングを行いました。
3回、ぽんたとりんりん:小学2年
テキストの検討を行った後、「ぽんたとりんりん」の資料を用いてロール・プレイングを行いました。
4回、なくしたかぎ:小学3年
テキストの検討を行った後、「なくしたかぎ」の資料を用いて、資料の提示の場面に焦点を当てて模擬授業を行いました。
5回、門番のマルコ:小学4年
前回の模擬授業のビデオを見て、検討を行いました。子どもを「〜君」、「〜さん」とよぶことの意味などについて意見が出ました。後半は、テキスト第4章門番のマルコについての検討を行いました。次週は附属小の公開授業があるため休講です。その後2週間は、4年生の教育実習のため休講です。
6回、章ちゃんと子だぬき:小学5年
7回、ぼくの父さん:小学6年
8回、消えたハーモニカ:中学1年
9回、本当のやさしさとは:中学2年
10回,どっちが悪い?:中学3年
11回、まとめ

成績評価の方法

討議への参加度、討議での発言内容、およびレポートをもとに総合的に行う。

教科書・参考書

(テキスト)荒木紀幸編『続・道徳教育はこうすればおもしろい』北大路書房

 電子シラバスでは15回の予定ですが、教育実習と重なる期間もあり、カレンダーでチェックしたところ11回しかありません。参加者の皆さんの予定に配慮しつつ、集中講義・補講の期間、および、前期期末試験の期間に補講を行うことを考えています。

1コマの構成

前半の45分で、授業報告(テキスト各章)の検討を行う。後半45分で、テキストと同じ資料を用いて模擬授業を行う。模擬授業はマイクロティーチングの技法で行う。


大学院「道徳教育特論」


上越教育大学大学院 98年度前期
道徳教育論  火曜日5講時(4:20〜5:50)講義棟302教室

授業概要・目標

 さまざまな道徳教育論を取り上げ、理論と実践の両側面から検討する。授業は講義形式で行うが、ビデオ視聴や話し合いの時間も設ける予定である。


授業計画・内容

0 導入

第1回 さまざまな道徳教育論の分類(4月14日)
 なぜ、インカルケーション、価値明確化、発達論などを取り上げるのかを、何冊かの書物の分類に依拠して、説明しました。しかし、11回から13回にかけてのテーマは、恣意的な選択だと言われても仕方ありません。他にも、再現構成法、構成的グループエンカウンターなど注目されている方法はあります。
1 インカルケーションの道徳教育
第2回 デュルケムの道徳教育論(4月21日)
 拘束の道徳の古典であるデュルケムの道徳教育論を取り上げました。子供の自主性を尊重することはもちろん大切なことですが、しかし同時に、社会的ルールについては、どこかの段階で教え込みをする必要があると私は考えています。
第3回 アメリカの品性教育(4月28日)
 最近のアメリカの品性教育のやり方をみると、なんだか伝統的な日本の道徳教育みたいだな、と感じます。ベネットの『徳の本』(邦訳『魔法の糸』)は、分厚くなった道徳の副読本みたいです。
2 価値明確化の道徳教育
第4回 価値明確化の道徳教育(5月12日)
 最初、価値シートを使ってエクササイズをしました。これは価値明確化のエクササイズで、価値明確化がどのようなものであるかがお解りいただけたのではないかと思います。日本では、この立場の道徳教育を千葉大学の諸富祥彦先生が積極的に広めていらっしゃいます。その諸富先生の解釈にしたがって、構成的グループ・エンカウンターも、価値明確化に関連するものとして取り上げました。ただ、両者には共通のエクササイズがたくさんありますが、構成的グループ・エンカウンターでは関係づくりを重視しますから、個人的な価値を明確化しようとする価値明確化とは違った面もだいぶあるようです。
3 発達論的道徳教育
第5回 ピアジェの道徳性発達論
第6回 ブルの道徳性発達論
第7回 コールバーグの道徳性発達論
第8回 ケアリング倫理の道徳教育
4 分析哲学的道徳教育
第9回 ウィルソンの道徳教育論
第10回 ピーターズの道徳教育論
5 我が国で現在注目されている道徳教育
第11回 ロール・プレイングによる道徳教育
第12回 ディベートによる道徳教育
第13回 総合単元的道徳教育

 たいへん申し訳ないのですが、9月の上旬に調査出張の予定が入っていますので、この講義は13回で終わりになります。m(__)m

成績評価の方法

主として課題レポートによって行う(出席状況も加味します)。

参考書

佐野安仁、荒木紀幸編『道徳教育の視点』晃洋書房
佐野、吉田編『コールバーグ理論の基底』世界思想社
荒木紀幸編『続・道徳教育はこうすればおもしろい』北大路書房


大学院「道徳教育演習」


科目番号5228 前期火曜日2時限(10:20-11:50) 教室:人208

概要概要・目標

 本演習では、コールバーグ理論に基づくモラルジレンマ授業をとりあげ、次のことを行う。

(i)ジレンマ資料を用いた道徳授業について検討する。
(ii)ジレンマ資料を作成する。
(iii)作成した資料を用いて模擬授業を行う。

授案計画・内容

iジレンマ資料を用いた道徳授業について検討する。

1.コールバーグ理論の概略(4月14日)
 コールバーグは、道徳的ジレンマへの反応を調査し、その判断の内容ではなく、理由付けに焦点を当てることで、道徳性の普遍的発達段階を発見しました。しかし、仮設ジレンマから現実のジレンマへの転換、第7段階の導入、女性の発達段階に関する批判への応答など、さまざまな修正点もあります。
2.モラルジレンマ授業の実際(VTR)(4月21日)
 コールバーグの考え方に基づく道徳教育の実践的研究は、兵庫教育大学の荒木紀幸先生を中心に精力的に行われています。今日は、1主題2時間構成、オープン・エンドなどの特色について説明し、中学校におけるモラルジレンマ授業の実際をビデオで見てもらいました。(東京新聞の記者さんが取材に来られていましたが、どんな形で取り上げられるのか楽しみです。)
3.モラルジレンマ授業の実際(VTR)(4月28日)
 今日は小学校高学年の道徳授業のビデオを見てもらいました。前回はジレンマ資料についてあまり話し合いができませんでしたが、今日は(十分とはいえないまでも)院生さんと意見交換ができました。その中で出てきた2点について、ここで繰り返しておきたいと思います。1つは、「あなたならどうするか」ではなく、「・・・はどうすべきか」と問わなければならない、ということです。前者では、自己の欲求が問題となり、当為を問うことにならないおそれがあるからです。もう1点は、ジレンマは、いわばプラスの価値とプラスの価値のぶつかり合いでなければならないということです。もちろん、1つの価値を巡ってジレンマが起こることもあるでしょうが、ジレンマのどちらの選択肢を選んでも、その価値を肯定するというものでなければなりません。プラスの価値とマイナスの価値のぶつかり合い、あるいは、一つの価値を肯定することと否定することのぶつかり合いでは、モラルジレンマにはなりません。具体的に言うと、電車の中で、座っていたいという気持ちと、目の前にいるお年寄りに席を譲らねばならないという考えとは、個人の心の中で葛藤を引き起こすかもしれませんが、「モラル」ジレンマにはならないということです。
4.ジレンマ資料の検討1(5月12日)
 今日は最初の計画では資料の検討をする予定でしたが、小学校中学年の道徳授業のビデオと、低学年の道徳授業ビデオの一部を見てもらいました。低学年では、資料の理解、話し合いなどが難しいので、紙芝居形式で資料を提示したり、また、ロール・プレイングを用いたりするなどの工夫が必要です。
 院生さんからいくつかの質問、意見が出されました。とくに、オープン・エンドで授業を終えた後のフォローをどうするか、オープンなままでいいのかどうか、すくなくとも第2次の判断理由づけの結果を子どもたちに返す必要はないのか、という点は、今後考えていかなければならないように思います。
5.ジレンマ資料の検討2(5月19日)
iiジレンマ資料を作成する。
6.ジレンマ資料の作成1(5月26日)
7.ジレンマ資料の作成2(6月2日)
8.ジレンマ資料の作成3(6月9日)
9.ジレンマ資料の作成4(6月16日)
iii作成した資料を用いて模擬授業を行う。
10.ジレンマ資料の実践(マイクロティーチング)1(6月23日)
11.ジレンマ資料の実践(マイクロティーチング)2(6月30日)
12.ジレンマ資料の実践(マイクロティーチング)3(7月7日)
13.ジレンマ資料の実践(マイクロティーチング)4(7月14日)
(14.ジレンマ資料の実践(マイクロティーチング)5)
 たいへん申し訳ないのですが、9月の上旬に調査出張の予定が入っていますので、この演習は13回で終わりになります。m(__)m
成績評価の方法
授業時に作成するジレンマ資料や小レポート、検討への参加度によって評価する。
教科書・参考書
(教科書)荒木紀幸編『続・道徳教育はこうすればおもしろい』北大路書房
(参考書)佐野・吉田編『コールバーグ理論の基底』世界思想社



このページに関するお問い合わせは下記まで。
yasunari@juen.ac.jp


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更新日1998年12月17日