=時 制= |
時制は今〜をしている」とか「来週〜をする」といった事を明確に表現するのに必要な約束ごとです。
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これから説明する時制の分類の仕方は、あくまでもできるだけ簡単に実用的にという意図に基づいてしました。多くの書物はもっと細かく分類していますが、ただ余り細かく分類すると覚えるのが大変ですし実用上あまり意味がないということもあります。又、細かい部分は英語に馴れてくるとあえて学習しなくても自然に分かるようになりますから心配は要りません。
さて何故「時制」について勉強しなければならないのでしょう。
日本語と比較すると英語には「時」を重要視する習慣があります。つまりいつのことかをはっきりさせたいと言う気持ちが大変強いわけです。もちろん日本語にもありますがその比ではありません。英語には「言語的時計」が組み込まれていると考えてください。
この「言語的時計」を理解することは英語の組み立て方を知る上で大きな力になりなります。
これから説明するのは7つの時制と8つの文型です。つまり一週間分の文型プラス一つということになります。
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現在形 |
手始めに現在形について説明をしますが「現在」という言葉が付いているのにこの他に現在進行形、現在完了形があります。いづれも「今の状態」につながっている事柄を説明するのに用いられるということです。少し分かりにくいことかもしれませんが頭に入れておいてください。
「習慣」や「不変」、科学的「真理」の事の説明に用いられます。
動詞の現在形を用いますが「現在」という言葉に惑わせられないようにしてください。文法上、「現在形」と呼ばれていますが「今〜をしている」の「今」の話ではありません。人の行動で言えば「日常生活では〜をします。」という習慣を説明するときに現在形を用います。「いつも〜時に起きます」とか「コ−ヒ−が好きです」という事柄です。
この文型に隠されている言葉があります。「いつもは」とか「通常は」という表現です。英語にもalwaysやusually
という言葉があり使われますが強調の意味で用いられることが多く、あってもなくても基本的な意味にかわりはありません。
不変の事として用いられる場面にこんなのがあります。
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Mr. Smith comes from Canada.
(スミスさんはカナダ出身です。)
使われているどの英単語にも「出身」という意味のはありません。現在形の意図することをよく理解していませんと「出身」という意訳はでてきません。今でこそ比較的なじみのある表現ですが昔の人々はどのようにして「現在形→不変→出身」と発想したのでしょうか。
習慣の場面にこんなのがあります。
On Sundays I don't get up very early. I stay in bed until noon.
I drink a lot of coffee at work on weekdays, so on Sundays I don't drink
coffee, but I drink tea instead.
「日曜日にはいつもあまり早く起きません。いつも昼頃まで布団のなかにいます。一週間職場ではいつもコ-
ヒ- をたくさん飲みますから、普通日曜日にはコ- ヒ- を飲まず紅茶を飲みます。」
<会話例>
1. Sue: Do you drink coffee, Bob?
2. Bob: Yes, I do.
3. Sue: Do you want some?
4. Bob: No, thank you. I like coffee, but I don't drink more than
two cups a day. Thank you anyway, Sue.
少し、くどい訳になりますが
1. は「コーヒーを通常飲むほうですか。」
3. は「いま欲しいですか。」
4. は「コーヒーが好きなほうです。しかし一日に三杯以上は飲みません。」
さて、3はwantの現在形の文章です。先の説明の「習慣」とか「不変」がwantの意味に含まれ得るかとなると無理があるとおもいます。つまり年から年中「〜を欲しい」というのはあまりにも欲深いことです。ですから3はやはり「いま〜を欲しいですか」という意味になります。
4のlikeは好き嫌いのことですからそれほど度々は変わりません。さっきまでは好きだったけれど、今は嫌いだ、というのは人間関係においてはあるかもしれませんが、それほど頻繁に起こることではありません。ですから4は「コーヒーは好きなほうです。しかし一日に三杯以上は習慣として飲みません」となります。
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