キリスト教の笑い話 その1

★日本のクリスマス

ある日本人がクリスマスの時期に教会の前を通りかかった。教会の門のわきにクリスマス礼拝の案内が出ているのを見て、言った。
「へー、最近じゃあ教会でもクリスマスをやるのか」

(教会の前を通りかかった人)

★日本の正月

元旦礼拝を終えた信徒が、急いだようすで牧師にあいさつした。
「先生、きょうはこれから初詣にいきますのでこれで失礼します。」

(地方でよくありがち)

★説教中の居眠り その1

礼拝の説教中、居眠りをしている人がいた。その人は手に持っていた聖書を床に落としてしまった。その瞬間、バタン!と大きな音が説教中の礼拝堂に響いた。
礼拝が終わった後、役員がその人にそっと告げた。「聖書を持ったまま居眠りをしてはいけません。周りの人が起きてしまうから」。

(本田弘慈先生のメッセージの中で)

★説教中の居眠り その2

ある宮廷牧師が説教をしていた。礼拝に出席していた皇帝も伯爵もいびきをかいて居眠りをはじめた。そこで、牧師は大声で叫んだ。「伯爵!」
伯爵が目を覚ますと、牧師は丁寧に言った。「伯爵は皇帝陛下のお休みを妨げております」

(H.フォン・カンペンハウゼン『笑いの伝承 キリスト教ユーモア集』)

★説教中の居眠り その3

不眠症で悩む信者が、よい解決策を見つけたとばかり、牧師のところへやってきて言った。「先生、会堂の椅子を譲ってください。」

(H.フォン・カンペンハウゼン『笑いの伝承 キリスト教ユーモア集』、山北宣久『福音のタネ 笑いのネタ』)

★天国の入り口

妻の尻に敷かれている夫が多くなったと嘆いていた天国の門番が、その実態調査に乗り出した。天国の入り口のうち、既婚男性専用の門を「妻の尻に敷かれた人」用と「妻の尻に敷かれなかった人」用に分けたのだ。すると、嘆かわしいことに、「妻の尻に敷かれた人」用の門の前には長蛇の列ができ、もう一方の門の方にはだれもいなかった。

すると、ひとりの男が「妻の尻に敷かれなかった人」用の門に向かって歩いてきた。「門番は、ようやくひとり来たか」と思い、喜んでその人に話しかけた。「こちらの門に来る人はあなたが初めてですよ」。すると、男は申し訳なさそうに言った。「妻に、こっちの門へ行けと言われたもので・・・。」

(森田武夫先生から聞きました)

★再会

ある方が、有名な神学者に天国のことについて尋ねた。
「先生、私たちは、愛する人たちみんなと、ほんとうに天国で再会できるのですか?」
尋ねられた神学者は、力を込めて言った。
「ええ、確かです。・・・だが、他の人々とも再会しますよ。」

(H.フォン・カンペンハウゼン『笑いの伝承 キリスト教ユーモア集』、宮田光雄『キリスト教と笑い』)

★地獄 その1−−天地創造

ある人が神学者を困らせようとして聞いた。「神さまは、天地を創造される前には何をしておられたのだろうか?」
神学者は答えた。「そのような質問をする人のために地獄をつくっておられたのだ。」

(ボンヘッファーは、ルターが「神はそのような無用の質問をする者たちのために鞭をこしらえておられた」と言ったとする。ボンヘッファー『創造と堕落』ボンヘッファー選集9、新教出版社、p.18(新教新書にもなっている)。しかし、元は、アウグスティヌス『告白』11巻12章。ただしアウグスティヌスは「私はそんなふざけた答えはしない」と言っている。カルヴァン『キリスト教綱要』T,14,1でも引用あり。)


★地獄 その2−−ここはどこ?

ある人が死んだ。死後に行った所は、好きなものを食べて好きなときに眠れるすばらしいところだった。最初のうちは楽しかったが、次第にそんな生活に飽き飽きしてきた。それどころか、いつしか吐き気を覚えるほどになっていた。その人は言った「これなら地獄に行った方がまだましだった」。

すると、つかいの者が言った「あなたはどこにいると思っていたのですか」。

(宮田光雄『キリスト教と笑い』岩波新書)

★地獄 その3−−魚にのまれたヨナ

「先生、ヨナが巨大な魚の腹の中から生還できたのは、いったい、どのようにしてでしょうか」
「それは私もわかりません。しかし、私が天国へ行ったときに、ヨナに聞いてみましょう」
「しかし、もしヨナが天国にいなかったらどうしましょう」
「そのときは、あなたが直接ヨナに尋ねることができるでしょう」

(宮田光雄『キリスト教と笑い』岩波新書)

★地獄 その4−−身をもって知る

有名な神学者カール・バルトは、地獄の存在を完全に無視しているとして、周囲から批判された。すると、彼は言った。
「皆さんはいずれいつかびっくりなさることでしょう、地獄がいかに空っぽであるかを身をもって知って。」

(宮田光雄『キリスト教と笑い』岩波新書)

★地獄 その5−−見ないで信じる者は幸いである

嫁いだ娘が泣きながら母親に言った。「ママ、彼ったら、地獄があることを信じていないのよ。」
母は薄笑みを浮かべて、言った。「じゃあ、地獄を見せてあげましょう。」

(おお、こわ。)

★地獄 その6−−信じない者ではなく、信じる者になりなさい

ついこの前結婚したばかりの男が、牧師を訪ねてきた。「先生、結婚してはじめてわかりました、地獄が存在するってことを。」

(その5の続き。これらは植松黎編訳『ポケット・ジョーク』にもある。)

★うそをついてはいけない

礼拝が終わった後、会衆に向かって牧師が言った。「来週は『うそをついてはいけない』という説教をします。その準備のためにみなさまは前もってマタイによる福音書の第29章を読んでおいてください。」

そして、次の日曜日が来た。牧師は会衆に尋ねた。「私が先週言った聖書箇所をお読みになってきたでしょうか」・・・敬虔そうな信徒が何人か手を挙げた。牧師は言った。「きょうはあなた達のためにお話ししましょう。マタイによる福音書には第28章までしかありません。」

(昔友達が持っていたアメリカのジョーク集に載っていた)

★神さまの時間

ある人が神に尋ねた「神さま、あなたにとって100万年とはどれほどの長さですか」。
神は答えた「わずか1分だ」。
「では1000万ドルとは、どれくらいですか。」
「たったの1セントだ。」
そこでその人は神に願った「では、神さま、私に1セントください」。
神は答えた「ほんの1分間待っていなさい」。

(H.フォン・カンペンハウゼン『笑いの伝承 キリスト教ユーモア集』。宮田光雄『キリスト教と笑い』)

★ピアニスト

ある二人がコンサートへ行ったが、ピアノの演奏が気に入らなかった。
「このピアニスト、まことに、キリスト教的慈愛に満ちた演奏をするわね。」
「どうして?」
「彼の右手は、左手がしていることを知らないのよ。」

(石黒マリーローズ『キリスト教文化の常識』講談社現代新書)

★アダムの浮気?(1)

アダム:「ぼくは君だけを愛するよ」
エバ:「ほかに誰がいるっていうの?」

(最初は二人だけ)

★アダムの浮気?(2)

アダム:「どうして君は毎晩、ぼくの肋骨を数えるんだ?」
エバ:「だって、浮気してるんじゃないかと心配で・・・。」

(このてのは多い。石黒マリーローズのにも、植松黎のにもある。)

★アダムの浮気?(3)

エバ:「あなた、まさか、浮気してるんじゃないでしょうね?」
アダム:「浮気なんかできるわけないだろ。ここには君しかいないんだぜ。」
エバ:「じゃあ、浮気してないって証拠があるの?」
アダム:「オレの肋骨を数えてみろよ。」

(上の(1)と(2)をひねったパターン。このほうが、オチがはっきりしている。)

★次の大洪水

司祭と異端者が論争していた。司祭が言った。
「あなたのような人がいるから、神はもう一度大洪水を起こされることでしょう。」
「いや、それはありえないでしょう。」
「どうしてですか?」
「だって、最初のが何も効果がなかったようですからね。」

(ザルチア・ラントマン編『ユダヤの笑話と格言』社会思想社現代教養文庫)