イスラエル/パレスチナ和平に向けて国際人道介入を求めるアピール
私たちWomen In Black東京は、昨年のテロ事件以降、多くの地域で和平プロセスが停滞しており、対テロ封じ込めを名目にした人権侵害が放置されていることに深い懸念を持っています。イスラエル/パレスチナはこうした地域のひとつです。私たちは、上記のイスラエル/パレスチナの女性による声明を支持し、この地域での暴力の拡大を食い止めるために、日本政府が緊急に外交努力を行うよう求めます。
2002年3月8日
Women In Black東京
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国際女性デーは、全世界の女性の人権を記念する日です。しかし歴史が証言するように、それは単独で得られるものではありません。女性の権利は普遍的な権利に包含されており、女性の権利が実現されているかどうかは、ある社会が正義、平等、民主主義をどのくらい重視しているかを反映しています。
イスラエル軍によるパレスチナの土地と100万人以上のパレスチナ人に対する支配は、個人としての、また人民としての権利に対する深刻な侵害行為であり、イスラエルの人々をも、暴力の行使者にして被害者にしてしまっています。現在、イスラエルとパレスチナの女性の権利と福祉に対するもっとも重大な脅威は、この占領という行為なのです。和平と和解の条件を作り出すために、ともに活動してきた私たち、イスラエルのユダ
ヤ人とパレスチナ人の女性は、イスラエル政府の政策にひどく失望し最悪の気分を味わっています。それでも、イスラエルとパレスチナ双方の人々の希望と未来がうち砕かれるのを黙って見ていることを拒否します。そして私たちは、あなた方の助けを必要としています。
イスラエル政府による国際法と道徳規範の公然たる侵害は、国際社会にとって重大な問題を突きつけています。私たちは、あなた方とあなた方の政府に対し、この挑戦に向き合い、対応をとるように求めます。
現在の状況下では、一刻も早い国際的人道介入が必要とされています。この地域に国際監視団が派遣されるよう支援してください。監視団の存在は、パレスチナ市民の保護にいくらかは役立つかもしれません。
しかしながら、イスラエル軍によるパレスチナ占領を終わらせることこそが平和を保障する不可欠の条件です。イスラエル政府は占領地からの撤退を頑固に拒否しつづけています。イスラエル政府がこの条件を受け入れるよう、緊急の外交努力を始められるよう、あなた方とあなた方の政府に対し要請します。
2002年3月8日、国際女性デーのこの日、世界中で何千人もの女性たちがこの同じ要求を自分たちの政府に対し、そしてイスラエル代表に対し行います。あなた方が女性に敬意を払い、その懸念に対応して、この日をともに記念されますよう。
2002年3月8日
バット・シャローム*
*バット・シャローム
Bat Shalomはイスラエルとアラブ諸国との間の公正な平和を求めて活動しているフェミニスト平和団体。
http://www.batshalom.org
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Women In Black 国際女性デー声明文
「国家は、歴史を通して、武力紛争下における女性に対する暴力を無視し続けてきた。」
−女性国際戦犯法廷、最終判決・結論冒頭
タリバンや北部同盟の武力支配下の元で、長い間行なわれた女性に対する暴力について、ごく最近まで、世界は知ることがありませんでした。救済処置がないまま、犯罪は闇で繰り返され、女性は暴力とその精神的、社会的代償に苦しむしかありませんでした。2001年9月11日をきっかけに、世界中の関心がアフガニスタンに向けられ、踏みにじられてきたその女性たちの権利が、謳われるようになりました。
ところが日本では、日本軍の侵略下にアジア中で行なわれた、「慰安婦」問題として知られる、軍奴隷制の被害事実とその犯罪性が闇に葬られ、未だに語られることがありません。そのため被害女性は、60年近くたった今も、高齢ながら孤独に、トラウマや社会的偏見、貧困を強いられて生活をし、そのまま次々と亡くなっています。
元「慰安婦」女性に対して行なわれた被害とその犯罪性については、2000年12月に東京で行なわれた、「日本軍性奴隷制を裁く−女性国際戦犯法廷」で、ようやく明らかにされました。この民間法廷は、日本女性による呼びかけをきっかけに、アジアの被害諸国の市民と、世界的な人権と司法界のリーダーが連帯して開かれたものです。その最終判決は、2001年12月、世界のメディアと人権・司法界が注目する中、オランダの国際司法の街ハーグで、発表されました。
しかし、この法廷は日本では報道されず、日本政府は「慰安婦」問題の事実と責任を回避し続け、日本の一般市民は真相を知らないままの状態が続いています。
1990年代の初めに、元「慰安婦」女性が、自分がこうむった犯罪について初めて語ったことは、世界で同じように沈黙を強いられていた、多くの被害女性に勇気を与え、世界的な女性の人権に対する取り組みに大きく貢献しました。昨年ノーベル平和賞にノミネートされた旧ユーゴのWomen
In Blackや、今や世界中で立ち上がったWomen In Black の連帯アクションは、こうした歴史のなかにあります。
Women In Black TOKYOは、暴力の連鎖を食い止めるために、正義とそのための模範的手段を実現した、「女性国際戦犯法廷」の功績を称えます。そして日本政府と国際社会、そして日本人である私たちが、平和な世界を実現するために、この法廷の判決を受け止め、その勧告を遂行するよう求めます。
2002年3月8日
Women In Black東京
法廷については以下、日本主催NGOであるVAWW-NET Japan(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク)にお問い合わせください:
〒135−8585東京都江東区塩見2−10−10 Tel/Fax:
03-5337-4088
Email: vaww-net-japan@jca.apc.org
URL:http://www.jca.apc.org/vaww-jet-japan
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