プレスリリース/アピール
女性への暴力と戦争に反対する
国 際 女 性 デ ー ・ グ ロ ー バ ル ア ク シ ョ ン
サイレント・ウォーク
国際女性デーの3月8日、暴力を終わらせて平和を実現し、女性の権利を確立するために、女性たちが世界各地でさまざまな行動を企画しています。このグローバルアクションに連帯し、すべての暴力の犠牲者を悼むWomen
in Black(黒衣の女性たち)のデモンストレーション を3月9日(土)、東京で行います。
Women in Blackは、1988年1月にイスラエルで始まった、平和を求める抗議行動です。毎週金曜日に、黒衣を身につけた女性たちによって、ヘブライ語・アラビア語・英語で書かれた「占領を終わらせよう」のメッセージを掲げた沈黙のスタンディングが続けられています。
Women in Blackは、戦争と軍国主義、女性への暴力に反対する女性たちの行動として、旧ユーゴスラビア、インド、インドネシア、カナダ、デンマーク、イギリス、米国、トルコなど世界各地に国際ネットワークとして広がり、黒衣と沈黙によって、暴力への怒りと犠牲者への追悼を示しています。昨年、旧ユーゴのWomen
In Blackは、ノーベル平和賞にノミネート されて、注目を浴びました。
日本では、2001年の9月11日以降、私たち東京に暮らすさまざまな世代、職業の女性たちが、テロ攻撃の犠牲者と報復攻撃を浴びるアフガニスタンの人びと、そして世界各地の暴力の犠牲者への追悼とイスラム女性への連帯を胸に、毎週日曜日に銀座でのデモンストレーションを行いました。私たちは、恐怖による沈黙、力による支配は一部の武力集団だけのものではなく、私たちの生きる社会に、また歴史のなかに、深く埋め込まれてきたものであるという認識をともにしています。
今回の国際女性デーの行動は、さまざまな個人・団体にも広く呼びかけて行います。
テロリズムと武力による紛争解決に対して、非寛容なナショナリズム、民族主義、宗教原理主義に対して、性暴力と女性の自立をはばむものに対して、犠牲者への沈黙の強制と、不処罰・忘却の政治に対して、そして次の2つの問題への支持を表明して、沈黙の行進をします。
* 2001年12月に出された、「慰安婦」制度に対する女性国際戦犯法廷ハーグ判決
* 和平を求めるイスラエルのWomen in Black
Women in Black 東京
2002年3月1日
■Women in Black東京
URL:http://www1.jca.apc.org/fem/wib
■国際女性デー・グローバルアクション
Feminist Peace Network(by Coalition of Women for Peace)
URL:http://www.coalitionofwomen4peace.org
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国際女性デー グローバル平和アクション
世界各地で女性たちが暴力に苦しみ、そして闘っている。
3月8日は女性の平等な権利を擁護するために国連が宣言した国際女性デーです。
私たち世界各地のフェミニストは、今年の国際女性デーでは、女性が日常的に経験する差別や暴力に加え、戦争と武力紛争、軍事主義に焦点をあてて女性たちによるグローバルアクションを行なおうと決めました。昨年秋以来、世界はいっそう深刻な破壊と殺戮の危機に瀕しています。平和なしに女性の人権と平等は達成されえません。
しかし女性たちは、もっとも暴力の犠牲になりやすい一方で、平和と民主主義、平等を達成するため、常に先頭に立って行動してきました。イスラエルの女性たちが始め、旧ユーゴスラビア、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、ラテンアメリカの各国に広がったWOMEN
IN BLACK(黒衣の女性たち)は、もっとも重要な国際平和ネットワークのひとつです。少なくとも世界60地域で、平和や女性に対する暴力、女性の平等に取り組んでいる団体による関連行動が行なわれます。以下は各国の女性たちが取り組んでいる問題の一部を紹介するものです。
戦争と武力紛争は、女性にとって最大の人権問題。
90年代には5千万人を超える人々が軍事紛争で故郷を失い、難民の大半は女性と子どもだった。性暴力が人道に対する罪として戦争犯罪を構成することが近年になってようやく国際的に確立された。
イスラエルとパレスチナのユダヤ人、パレスチナ人、キリスト教徒の女性たちは、イスラエルによるパレスチナの武力占領と住民に対する暴力行為を終わらせ、交渉による共存を築くよう、政府と市民に呼びかけてきた。だが現在、多くの市民を巻き添えにする武力攻撃とテロの応酬によって、和平への道は完全に閉ざされようとしている。彼女たちは国際社会による人道介入を求めて各国政府への呼びかけを行なっており、これに応えてブリュッセルで5000人のデモが行なわれたほか、世界各地でも連帯行動が行なわれている。
「私たちは、イスラエル政府の政策にひどく失望し最悪の気分を味わっています。それでも、イスラエルとパレスチナ双方の人々の希望と未来がうち砕かれるのを黙って見ていることを拒否します。・・・イスラエル軍によるパレスチナ占領を終わらせることこそが平和を保障する不可欠の条件です。イスラエル政府がこの条件を受け入れるよう、緊急の外交努力を始められるようあなた方とあなた方の政府に対し要請します。」(バット・シャローム/エルサレム)
朝鮮半島の平和的統一のために熱心に取り組んできた韓国の女性たちはブッシュ大統領が北朝鮮を「悪の枢軸」ときわめて強硬なレトリックをもちいて非難したことに、すぐに怒りを表明した。「軍事主義に苦しめられてきた私たち女性は、軍事主義がもたらす肉体的、精神的暴力が世界と人類に荒廃をもたらすことを大
いに懸念している。」(2月7日、「平和を作る女性たち」および「戦争に反対する女性平和アクション」声明)
バルカン諸国の武力紛争と暴力はまだ収まっていない。特にセルビア南部では住民が虐殺されるなど緊張が高まっている。女性たちは現在も路上に立って暴力と民族主義に抗議し、また先の戦争に対する集団としての責任と個人の戦争犯罪に直面するよう呼びかけている。(WOMEN
IN BLACK セルビア)
シエラレオネでは長年にわたった紛争によって数千人が故郷を追われ、多くの子どもたちが反乱軍の兵士にさせられ、多くの女性と子どもたちが性暴力を受けた。反乱軍と接触を持った調査対象者の53%が何らかの性暴力を受けていた。複数のものによるレイプ、誘拐、性奴隷の犠牲となった者もいた。1999年に和平協定が結ばれたにもかかわらず、局所的な武力衝突は続き、現在も武装解除は終わっていない。
1974年以来、サイプラスのトルコ系住民とギリシャ系住民は有刺鉄線で分断され、自由なコミュニケーションもままならない。両側の女性たちは分断と繰り返される暴力を克服し、自由な交流をもとめて統一組織を立ち上げた。
女性にとっては、日常もまた戦場。
少なくとも3人に一人の女性・少女が殴られたり性的暴行を受けたことがある。
(国連女性の地位委員会報告、2000年2月)
年間100万人以上の女性と子どもが強制労働や家内労働、性搾取を目的とした人身売買の犠牲となっている。
選択的中絶や女児殺し、放置等の理由により、少なくとも6000万人の女児が「消えて」おり、その多くはアジアに集中している。
1億3千万人以上の少女と女性が性器切除を受け、さらに200万人の少女がその危険にさらされている。(WHO,1997)
メキシコのCiudad Juarezでは女性をターゲットにした暴力が頻発しており、1993年以来少なくとも263人の女性が殺害された。被害者の多くは周辺の農村から出てきた貧しい工場労働者で、殺害前にレイプやその他の身体的暴力を受けたとみられているが、女性たちを守る有効な手立ては講じられていない。(Inter-American
Human Rights Commission)
インドで性労働者のエイズ予防にとりくんでいる著名な社会活動団体SANGRAMと売春女性協同体VAMPは、地方政治家の激しい攻撃を受けている。地元警察幹部と右派政党シブ・セナ支部の幹部は、両団体に所属する女性活動家に対し殺害と強かんの脅迫を行なった。
アメリカでは6人に一人の女性が性的暴行を受けたり受けそうになったことがある。イギリス警察は毎秒に1回の割合でDVの通報を受ける。
日本でも約6割近い女性が夫や恋人の暴力に苦しんでいることが明らかにされた。多くの女性団体の取り組みから、ドメスティックバイオレンスなど女性に対する暴力が、女性の経済的自立を妨げる性差別的な雇用・賃金形態、社会保障政策、また外国人に対する差別的取り扱いと深く関わっていることが明らかにされている。
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