2015.11.23更新
印が主な更新個所です。)

■アリスター・E.マクグラス

(Alister E. McGrath, 1953.1.23-)

1.全邦訳著作

邦訳出版年順。

笹岡靖訳、『キリストの死と復活の意味』(Making Sense of the Cross)、いのちのことば社、1995.4(1992)、143頁、1300円。
アリスター・マグラスと表記。信徒向け。戦場や病院などのイメージを用いて十字架の場面を思い描くことを通して、十字架がもっている、今の自分のあり方に変化を与える恵みの豊かさを解き明かす。
島田福安(しまだ・たかやす)訳、『キリスト教の将来と福音主義』(Evangelicalism and the Future of Christianity)、いのちのことば社、1995.8(1993)、306頁、3000円。
アリスター・マグラスと表記。タイトルの「福音主義」が指すものは「福音派」にかなり近い。福音派の性格をしっかり見極めながら、歴史的起源、根本主義の問題、特徴、長所と短所などよく書かれている。福音派とメインラインやカトリックとの関わりも。ジョン・ストットによると「福音主義者も非福音主義者も等しく本書を読むべき」。
2003年に新装版が出た。著者名は他の邦訳と揃えてアリスター・マクグラスと表記され、価格も2400円と安くなった。
ジョアンナ&アリスター・マグラス(小渕朝子訳)、『自分を愛することのジレンマ』(The Dilemma of Self-Esteem)、いのちのことば社、1996.12、248頁、2200円。
ジョアンナはアリスターの妻でカウンセラー。自己受容は、罪を無視し霊的に成熟しないでよいというととではない。確かに、自分をありのままに受け入れるとは、ありのままでよいということではない。この問題を整理しながら、キリストに結びついた適切な自己像の捉え方と教会の牧会のあり方を示す。
「私たちのルーツとヴィジョンを取り戻す――聖書と変わらざる教会」
(C.E.ブラーテン、R.W.ジェンソン編(芳賀力訳)、『聖書を取り戻す――教会における聖書の権威と解釈の危機』(Reclaiming the Bible for the Church)、教文館、1998.5(1995)、234頁、2500円)。
この本は、歴史的・批評的方法と教会的・教義学的解釈とのギャップを埋め、聖書を教会において「正典」として読む解釈学の道を模索する講演集で、編者2名による「序」と8名の執筆者による8章から成る。この第4章がマクグラス(「マクグラース」と表記)。
高柳俊一訳、『宗教改革の思想』(Reformation Thought)、教文館、2000.10(19881,19932,19993)、371+38頁、4200円。
宗教改革のあらゆる側面を紹介しようとしている教科書。
マクグラス編(熊沢義宣、高柳俊一日本語版監修)、『現代キリスト教神学思想事典』(The Blackwell Encyclopedia of Modern Christian Thought)、新教出版社、2001.4(1993)、760頁、12600円。
カタログによると、パネンベルク等9名の共同編集者による315項目。
神代真砂実訳、『キリスト教神学入門』(Christian Theology : An Introduction)、教文館、2002.1(19941,19972,20013)、804+47頁、7500円。
高いがぜひ買う価値があると訳者が太鼓判を押す好著(書店で見かけたら、訳者あとがきを見よ!)。著者は聖公会ローチャーチ、訳者は東神大の先生、そして、徳善義和(ルター派)、高柳俊一(カトリック)、宇田進(福音派)が推薦しているというのがすごい。読者が神学について何も知らず、また英語以外の言語を知らないことを前提とした、神学入門のための入門書。「第一部 キリスト教神学思想史」で4章に分けて思想史を概説、「第二部 資料と方法」で神学の方法論、「第三部 キリスト教神学」では、各教理分野における諸問題を紹介。中心的な教理を概説するのではなく、議論されている(されてきた)論点を扱う。多くの文献が紹介されているが、すべて英語。巻末に神学関連のWebサイトの紹介があるのが注目されている。
本多峰子訳、『キリスト教の将来』、教文館、2002.12(2002)、239頁、1800円。
序文はスタートレックの話題から始まる。キリスト教は、その第三ミレニアムに入るにあたってグローバルな問題に直面している。しかし、「西洋のキリスト教会では、何かが間違っている」。彼らは、世界の他の諸地域の教会で高まっている波がプロテスタント主流派の地位や特権を脅かすことを懸念しているのだ。第3章から具体的事例豊富で面白くなってくる。
p.162のJ.I.パッカーの『神を知る』は、邦訳があって山口昇訳『神について』(いのちのことば社、1978)である。また、ジョン・R・W・スコットとあるのは、「ストット」の間違い。まあ他でもしばしば間違えられているが。『キリスト教の初歩』というのは、有賀寿訳『信仰入門』(KGK新書1964、後に、すぐ書房1976)のことか? 注に記された文献の中には邦訳のあるものもあるが、そのことは記されていない。全般的に、訳文はこなれていると思うが、福音派内では当たり前の用語(もっとも福音派から一歩出るともう誰も知らない言葉であったりするが)を訳者は知らない感じではある。
稲垣久和、広田貴子訳、『信仰の旅路――たましいの故郷への道』(The Journey)、いのちのことば社、2003.1、203頁、1400円。
とてもよい。第一部「旅に向けて」と第二部「荒野の旅」。第一部では、信仰生活を旅と考える。それは、ただ単に信仰生活が旅であると言うのではなく、信仰生活を旅として自覚して歩むことで、人格と霊性が成長する。その旅のための準備は、旅に出てからなされる。旅に出て初めて、何が必要なのかわかるからである。そして旅をするために、自分も聖書の物語の登場人物となる。あるいは、聖書の概念やテーマを生活に適用する。
第二部は、実際に旅に出る。出エジプトの出来事を枠組みとして、創造、捕囚、贖い、成就の四つの行程を進む。それぞれの行程で、信仰の先達者たちに同行させていただく「ヒッチハイク」がある。ジョナサン・エドワーズ、ルター,J.I.パッカー、アンセルムス、アレキサンダー・マクラーレン、スザンナ・ウェスレー、アイザック・ウォッツ、ジャン・バニヤン、ボンヘッファー、ジョン・ストット、ホレイシャス・ボナー,C.S.ルイス。『天路歴程』の現代版。自らの信仰の理解に不満を覚え、そのために何とかしたいと願っている人のために、信仰生活を荒野の旅路ととらえて、どこを目指し、困難の中でどのようにして成長し続けることができるのかを語る。同じように悩みながら信仰生活を送った先達の言動が大きな慰めと励ましを与えてくれる。
「キリスト教は、ひとつの旅路と考えられる。・・・旅路はそれ自体、人格的成長や、関与や変容の手段である。キリスト教の伝統を通じて、霊的著者は、信仰の道を歩む結果得られる成熟と知恵の重要性を強調してきた。しかし、今日、観光産業の文化が、そうした精神的風土を乗っ取ってしまった。その理念は、旅の目的地に出来る限り速く到着し、不自由さは最小限がよい、という考えである。たしかに、そこでは何かが失われている・・・」(マクグラス『キリスト教の将来』p.81)
稲垣久和、小林高徳、倉沢正則訳、『科学と宗教』(Science and Religion: An Introduction)、教文館、2003.4、229頁、2500円。
宗教は科学の敵か味方か? 両者の相関関係を歴史的・神学的・哲学的・科学的な視点から考察し、今注目を浴びている「宇宙論」や「進化論」の問題にまで説き及ぶ。2009年新装版、252頁、2625円。
本多峰子訳、『十字架の謎――キリスト教の核心』(The Enigma of the Cross)、教文館、2003.7、263頁、2000円。
「第一部 キリスト教の核心・十字架」と「第二部 十字架の今日的意味」からなる。イエス・キリストの十字架が、キリスト教信仰において、信徒に対して、教会に対して持つ中心的な重要性と今日的な意味を、ルターの「十字架の神学」を手がかりに考察する。十字架の意味は伝統的に贖罪論の観点からのみ語られてきた面があるが、それによって見落とされている、十字架が神の性質について力強く語っている事実、信仰生活にしめる苦難の意味を説く。「十字架の消えることのない決定的な刻印は、キリスト教信仰のすべての面に押されている」(p.12)。「キリストの十字架こそ、キリスト教信仰とキリスト教神学の独自の特色であり、それらにアイデンティティーと意義とを同時に与えるものです」(p.24)。
「私たちはけっして、十字架の意味を決定的に知りうるなどとうぬぼれてはなりません。そして、ひとつの世代が、他の世代にとって十字架がもつ意味を正確に述べることができるだろうなどと示唆してもなりません。各々の世代は、どのような状況に置かれていても、十字架自体に戻り、そこで「十字架につけられ隠されている神」(ルター)と出会わなければなりません。」(p.100)
「結局、十字架は謎で、深く不安を感じさせるまま、キリスト教信仰の中心として存在し続けます。私たちがここから神を観ることを許され、また、これを通して見なければならない不透明な窓、けれども、私たちが決して迂回することの出来ない窓のままであり続けます。」(p.251)
「日本の読者は、本書に、たとえば北森嘉蔵の『神の痛みの神学』やP.T.フォーサイスが強調した『十字架の決定性』のような考え方を見出されるかもしれません。けれども、多くの点で、この本は、神の性質やキリスト教の信仰生活について、十字架によって私たちの考えをまとめる、私自身の試みとして読んでくださるのがもっともよいと思います。」(「日本語版への序文」、p.4)
稲垣久和監訳、『ポスト・モダン世界のキリスト教――21世紀における福音の役割』、教文館、2004.5、282頁、1800円。
2003年5月に来日した際の日本各所における講演録。著書の執筆の背景なども語られ、著書の要約的な紹介にもなっている。
「宗教改革の思想」 (井上政己訳) 東京基督教大学
「教会と地域・市民社会」 (倉沢正則訳)  東京基督教大学
「福音主義とは何か」 (藤原淳賀訳) 東京基督教大学
「ポスト・モダン世界のキリスト教」 (藤原淳賀訳) 東京基督教大学 共立基督教研究所主催、於中央大学駿河台記念館
「現代キリスト教思想における自然神学の位置」 (神代真砂実訳) 東京神学大学 (『神学』65号、2003、教文館、pp.84-122に既出)
「科学と宗教」 (小野寺一清、小林高徳訳) 日本基督教学会、於・明治学院大学
「心と頭とで神を愛する――神学と霊性の関係」伊藤明生訳)  東京基督教大学
チャペル・レクチャー3本 東京基督教大学
「いのちのパン」 (村山由美訳)
「世の光」 (村山由美訳)
「良い羊飼い」 (杉谷乃百合訳)
芳賀力訳、『神学のよろこび――はじめての人のための「キリスト教神学」ガイド』(Theology: The Basic)、キリスト新聞社、2005.4(2004)、281+27頁、2800円。
原著名は "Theology: The Basic"。藤原淳賀(ふじわら・あつよし)は、「『神学――ことはじめ』くらいでもよかったかもしれない」と言っている(『本のひろば』2005.8、p.15)。帯は、「信仰の足腰を鍛えるために神学を学ぼう!!」。教会や大学の聖書研究会、神学校の基礎クラスなど、まったくの初心者を対象としている。基本的な語彙(専門用語)を説明しつつ、神学の基礎的な主題や論争を紹介し、また、代表的な神学者の著述に触れ、「もっとよく知りたいという知的食欲」をそそらせることを目指している(「まえがき」、p.11)。『キリスト教神学入門』と『キリスト教資料集』と共に神学への入門三部作をなす。巻末にごく簡単な「神学用語略解」と「神学者紹介」がある。ついでに引用文献一覧があると良かった。
神学のアプローチとして(1)代表的な神学者の著作に学ぶ、(2)2000年の神学の歴史に学ぶ、(3)主題別に学ぶ、の三つがあるうち、本書は(3)のアプローチであって(p.16-21)、神学の三つの源泉(聖書、伝統、理性)を紹介た後、使徒信条に沿って、信仰、神、創造、イエス、救い、三位一体、教会、天国を取り上げている。
稲垣久和、岩田三枝子、小野寺一清訳、『神の科学――科学的神学入門』、教文館、2005.5、320頁、2730円。
原著名は、"The Science of God: An Introduction to Scientific Theology," T&T Clark, 2004. これは、"A Scientific Theology"(3vols., 2001-2003)で展開されたキリスト教神学への独自のアプローチを分かりやすく解説した入門書。プロレゴメナ、自然(Nature)、実在(Reality)、理論(Theology)のように、3巻本と同じ構成になっている。
稲垣久和、豊川慎、、岩田三枝子訳、『キリスト教の霊性』、教文館、2006.2、292頁、2940円。
エイレナイオス、オリゲネスから、ジェームズ・パッカーまで取り上げている。「霊性に関する書として、本書はブローシュの『キリスト教信仰−真の信仰をめざして』(1998年・一麦出版社)の次に邦訳されることを待ちわびていたものである。」(具志堅聖の書評、クリスチャン新聞)
本田峰子訳、『キリスト教の天国――聖書・文学・芸術で読む歴史』、キリスト新聞社、2006、270頁、2520円。
古屋安雄監訳、『キリスト教神学資料集 上・下』(Theology Reader)、キリスト新聞社、上:2007.4、922頁、12600円、下:684頁、9450円。
原著第3版に準拠。このような書物を「コンペンディウム」というらしい(森本あんりの書評、キリスト新聞2007.5.26)。下巻は2013.10からオンデマンド。
神代真砂実、関川泰寛訳、『キリスト教思想史入門――歴史神学概説』(Historical Theology: An Introduction)、キリスト新聞社、2008、518頁、7875円。
キリスト教思想史を「教父時代(100-451年頃)」、「中世とルネサンス(500-1500年頃)」、「宗教改革とそれ以後の時代(1500-1750年頃)」、「近・現代(1750年頃-現在)」の四つに分けて解説。訳者の配慮によって、テーマに対応する史料の『キリスト教神学資料集 上・下』でのページが記されているとのこと。
本多峰子訳、『総説 キリスト教――はじめての人のためのキリスト教ガイド』、キリスト新聞社、2008.6、726頁、7875円。
原著は、"Christianity: An Introduction," Oxford: Blackwell, 19971, 20062. 原著第2版からの翻訳。第1章「ナザレのイエス」から聖書、信仰内容の背景と概要、キリスト教史、世界的な視点での現代のキリスト教、信仰生活など全9章。巻末にキリスト教用語集あり。さらに学びたい方への文献リストは原著にある英語のものだけで残念。
佐柳文男訳、『プロテスタント思想文化史――16世紀から21世紀まで』、教文館、2009、576頁、4830円。
原題は"Christianity's Dangerous Idea: The Protestant Revolution――A History from the Sixteenth Century to the Twenty-First."「キリスト教の危険な理念 プロテスタント革命――16世紀から21世紀の歴史」。何が危険かと言えば、聖書の解釈の問題のようだ。第一部「起源」で宗教改革前から19世紀まで。第二部「理念」で聖書とプロテスタンティズム、信仰箇条や組織、礼拝、説教について、プロテスタンティズムと西欧文化の形成、芸術や自然科学との関わり、第三部「変革」で20世紀以降の特にアメリカなどのペンテコスタリズムに関心を向け、プロテスタンティズムの将来はペンテコスタリズムに左右されるかもしれないと語る。
藤原淳賀訳、『聖餐――その歴史と実践 DVD付き』、キリスト新聞社、2010、62頁、3150円。
2008.10.3の青山学院大学ガウチャー記念礼拝堂での来日特別講演。英日対訳。訳者による解説あり。
高橋義文訳、『宗教教育を語る――イギリスの神学校はいま』、キリスト新聞社、2010、110頁、2310円。
2008.10.14の聖学院大学総合研究所20周年記念講演会の講演録。原題は「英国における宗教教育・英国のスピリチュアリティー形成におけるイングランド国教会の役割」。英日対訳。藤原淳賀による解説あり。
芳賀力訳、『ジャン・カルヴァンの生涯――西洋文化はいかにして作られたか』(上・下)、キリスト新聞社、上:2009、300頁、3150円; 下:2010、326頁、3360円。
原題:"A Life of John Calvin", 1990。上巻:1〜6章、下巻:7〜12章。上巻は、人文主義との出会いや回心、ジュネーヴでの活動など伝記的内容。下巻は、『綱要』の文化的・社会的意義やその内容の紹介、カルヴィニズムの労働や経済活動、資本主義への影響、自然科学や人権概念の発達への寄与などなど。
柳田洋夫訳、『歴史のイエスと信仰のキリスト――近・現代ドイツにおけるキリスト論の形成』、キリスト新聞社、2011(20052)、380頁、4725円。
啓蒙主義の影響を受けた神学とそれを乗り越えようとする神学を概説。シュライエルマッハー、ヘーゲル学派、リッチュルからハルナック、ヴァイスからトレルチ、弁証法的キリスト論(バルトとブルンナー)、ブルトマンとティリッヒ、エーベリングからパネンベルク、そして、啓蒙主義の終焉としてモルトマンとユンゲルを取り上げる。原著第2版(2005年)からの翻訳。
芦名定道、杉岡良彦、濱崎雅孝訳、『「自然」を神学する――キリスト教自然神学の新展開』、教文館、2011、504頁、5040円。
原題:"The Open Secret: A New Vision for Natural Theology," 2008. 目次は、京都大学キリスト教学専修の芦名定道研究室のブログ「自然神学・環境・経済」2011-07-21の記事
J.C. マクグラスと共著(杉岡良彦訳)、『神は妄想か?――無神論原理主義とドーキンスによる神の否定』、教文館、2012、158頁、1890円。
『本のひろば』第666号、2013年7月(キリスト教文書センター)に、『神は妄想か?――無神論原理主義とドーキンスによる神の否定』をめぐる河崎行繁と西原廉太の対談あり。「この本の内容は、「科学界の視点に則ってみても、ドーキンスの論法は粗雑です」ということであって、「神は妄想ではない」ことを直接、示しているわけではない・・・。・・・マクグラスの本来の主張を知りたければ、『科学と宗教』(教文館、2003年)を読むと良い・・・。」、有神論か無神論かとは関係なく、「「科学は絶対である」という彼〔ドーキンス〕の原理主義をマクグラスは批判」している。「神学にも分からないことがあり、科学にも分からないことがある。人間にはすべてのことは分からないという謙虚さ、批判されることに対して自己を開くこと、自己の理解や考えを絶対化してそれを原理原則として提示しないこと、そういう姿勢が大事だとマクグラスは言いたかったのだ」。
佐柳文男訳、『C.S.ルイスの生涯――憧れと歓びの人』、教文館、2015、556頁、4900円+税。
鈴木浩訳、『ルターの十字架の神学――マルティン・ルターの神学的突破』、教文館、2015、289頁、4200円+税。

2.論文、講演など

神代真砂実訳、「現代キリスト教思想における自然神学の位置」 (『神学』65号、2003、教文館、pp.84-122)。
2003年5月21日の東京神学大学礼拝堂における講演。『ポスト・モダン世界のキリスト教――21世紀における福音の役割』(教文館、2004)に収録された。
Tomoaki Fukai et al., "Protestantism and Democracy," (A Theology of Japan: Monograph Series 5)、聖学院大学出版会、2009。
この中に、Alister McGrathの"Christian Reflections on Secular Democracy in the West"と"Deism or Trinitarianism?: The case of natural theology"がある。
森本あんりとの対談、「無神論の黄昏とアジア神学の将来」 (国際基督教大学キリスト教と文化研究所編、『人文科学研究』、40号、2009年3月、93-118頁)。
『ミニストリー』Vol.1(2009春号、キリスト新聞社)に、「対談 無神論の黄昏」が森本あんり訳で掲載されている。

TCUでの講演がビデオで出たらしい。『マクグラス教授来日講演』全5巻、東京基督教大学共立基督教研究所、各2000円。第1巻「宗教改革の思想」、第2巻「教会と地域・市民社会」、第3巻「心と頭で神を愛するために」、第4巻「ポスト・モダン世界のキリスト教」、第5巻「科学と宗教」。いずれも通訳つき。第5巻は字幕つき。

3.その他

高柳俊一、「キリスト教と文化――アリスター・E.マクグラスの神学の場合」 (『キリスト教文化・東洋宗教研究所』紀要19、上智大学キリスト教文化・東洋思想研究所、2000) というのがあるらしい。

『キリスト教文化・東洋宗教研究所 紀要』22(上智大学キリスト教文化・東洋思想研究所、2003)に、高柳俊一によるマクグラス『自然の再魅力化』の書評があるらしい。

深井智朗は、「彼の考える神学や神学史の見方についてはあまり一致できなかったのですが、彼が伝道者としての熱情を持った神学者であることには共感し、そのことでは一致できました。」と語っている。深井智朗『伝道 信仰生活の手引き』(日本基督教団出版局、2012)、p.24。

4.リンク

更新していません。ほとんどリンク切れ。

2.1 『キリスト教神学入門』の巻末で紹介されているサイト

神学に専門的に取り組んでいるサイト

blackwell PublishersのTheology and Religion Resources
このサイトの中に、「特に本書のための一連の資料が含まれている。最新の文献表や教材、更なる情報が入っている」とのこと。

一般的な神学の資料

「主要な個々の思想家や学派」は省略

Baker Book House Publishing CompanyのThe Christian Cyberspace Companion
「インターネット上での神学の資料の探求の出発点としての価値は計り知れない」とのことだが、このページはもう存在していないようだ。
The Internet Christian Library
資料、信仰告白、ディスカッション・グループへの幅広いリンクとのことだが、パスワードを要求されるとはどういうことだ?
The Wheaton College Christian Classics Ethereal Library
キリスト教の古典の一次資料集。(2002年初版に記されているURLは古い)
Christus Rex et Redemptor Mundi
カトリックの神学資料へのリンク(2002年初版に記されているURLは古い)
Official Church Documents
アメリカ、アラバマ州にあるイエズス会系のSpring Hill Collegeによる公会議や教皇文書へのリンク集(2002年初版に記されているURLは古い)
Project Wittenberg
ルター派に関する神学や信仰告白の資料。(2002年初版に記されているURLは古い)
Center for Reformed Theology and Apologetics
改革派の文献、特に16世紀と17世紀の信仰告白のコレクション(2002年初版に記されているURLは古い)
St. Pachomius Library
正教会の神学資料の包括的コレクション。

2.2 『キリスト教の将来』の巻末で紹介されているサイト

アルファ・コース
URLは、変更先へジャンプするようになっている。日本のサイトはアルファ・ジャパン
アッセンブリーズ・オブ・ゴッド
日本での教派名は「日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団」。この本での「アッセンブリー」の表記はやはり「アッセンブリーズ」とすべきだろうと思う。ちなみにp.154では「アッセンブリー・オヴ・ゴッド教団」となっていて表記が統一されていない。
カルバリー教会
日本での教派名は「カルバリーチャペル」。有名な大和カルバリーチャペルはこのグループではない。
英国教会
もちろん日本での教派名は「聖公会」
フラー神学校
ランベス会議決議文
マリナーズ教会
カリフォルニア州アーヴィン
アメリカ合衆国長老教会
「長老派教会」ではなく「長老教会」と表記すべき。ちなみに、略称はPC(U.S.A.)であって、PCUSAではない。USPCとPCCSAが1967年に合同してできたPCUSと、UPCNAとPCUSAが1958年に合同してできたUPCUSAが、1983年に合同してPC(U.S.A.)となった。うーむ、ややこしい。
リージェント・カレッジ
カナダ、バンクーバー。URLは変更している。この本の「レジェント」の表記は「リージェント」にすべきだろう。
セント・パトリック教会(サバー、東マレーシア)
under constructionだぞ??
南部バプテスト教会連盟
普通は「南部バプテスト連盟」と言う。
ヴァチカン
国ドメイン名がvaのサイトだ!
ホィートン・カレッジ
ビリー・グラハムが出た学校。表記は「ホイートン」の方が一般的かもしれないが、まあどちらでもよいか。
ウィロウ・クリーク・コミュニティ教会
これも普通は「ウィロー」かな。ウィロークリーク・チャーチについては、リン&ビル・ハイベルズ(樋口章代・川端光生訳)『教会の再発見――ウィロークリーク・チャーチ 挫折と再出発の物語』(いのちのことば社、2000、320頁、2500円)がおもしろい。マクグラスの『キリスト教の将来と福音主義』のp.134f(旧版)でも紹介されている。
世界教会協議会
略称WCC。